この記事でわかること
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Shopifyの商品タブアプリを検索すると、どのページでも同じ6〜7本が星付き・価格付きで並んでいます。ところが、そのランキング記事がまず答えるべき問い——「そもそも自分のテーマは何ができるのか」——には、ほとんど触れられていません。
答えは、多くのマーチャントが思っているより多く、そしてブロック名が示唆するより少ない、という位置にあります。Dawnの商品ページ用ブロックは、ソース上でcollapsible_tabという型名です。しかし、描画されるものはタブではありません。
結論
- Dawn 16.0.0 の
collapsible_tabブロックは<details>/<summary>のアコーディオンを描画します。Horizon 4.1.5 もaccordionブロックと_accordion-rowの組み合わせで、やはり<details>です。横並びのタブUIはどちらにもなく、Horizonのアコーディオン関連2ファイルには「tab」という文字列自体が含まれていません。 - 全商品で同じ内容を出すだけなら、標準ブロックで足ります。アプリは不要です。
- 商品ごとに内容を変えるのも標準機能の範囲です。Dawnの
headingはtext設定、contentはrichtext設定で、どちらもdynamic sourcesに対応するため、商品メタフィールドを接続できます。 - 1か所を直せば全商品に反映される共有ブロックも標準で作れます。Dawnの
page設定はページを指定でき、page設定型はpage_referenceメタフィールドを受け付けるため、商品ごとに参照先を変えることもできます。 - アプリが料金を取れるのは、標準機能にない次の3点です。横並びタブのレイアウト、既存の商品説明を見出しで自動分割する処理、コレクション・タグ・商品タイプ・ベンダーなどによる一括割り当て。
- 比較した4本は課金単位が4種類バラバラで、表示価格をそのまま比べても意味がありません。Advanced Product Tabs に至っては、自社の無料プランにある機能が2つ抜けている月額2.99ドルのプランが存在します。
- 2026年の「おすすめ商品タブアプリ」記事がほぼ必ず1位に置いている Easy Tabs ‑ Product Tabs は、現在Shopify App Storeで提供されていません。
Shopifyの2テーマが実際に持っているもの
Dawn 16.0.0
Dawnの最新リリースは 16.0.0(2026年8月10日公開)です。sections/main-product.liquidでは、ブロックが"type": "collapsible_tab"として定義され、次のように描画されます。
<div class="product__accordion accordion quick-add-hidden" {{ block.shopify_attributes }}>
<details id="Details-{{ block.id }}-{{ section.id }}">
<summary>
<div class="summary__title">
{% render 'icon-accordion', icon: block.settings.icon %}
<h2 class="h4 accordion__title inline-richtext">
{{ block.settings.heading | default: block.settings.page.title | escape }}
</h2>
</div>
{{- 'icon-caret.svg' | inline_asset_content -}}
</summary>
<div class="accordion__content rte" id="ProductAccordion-{{ block.id }}-{{ section.id }}">
{{ block.settings.content }}
{{ block.settings.page.content }}
ここから読み取れることが2つあります。ひとつは、HTMLの<details>要素そのものなので、開いていても閉じていても中身はページのマークアップに存在するという点です。JavaScriptで後から差し込む方式ではありません。もうひとつは、このブロックの設定が4つしかないという点です。heading(型はtext)、icon(selectで44個の選択肢。先頭は「none」)、content(型はrichtext)、page(型はpage)。ブロックにlimitは設定されていないため、上限はプラットフォーム側の「1セクションあたり50ブロック」だけです。
Horizon 4.1.5
Horizonはconfig/settings_schema.jsonで"theme_version": "4.1.5"と申告しています。構造はDawnと違い、blocks/accordion.liquidは_accordion-rowだけを子に取るコンテナで、自身の設定はcaretかplusのアイコン、区切り線と色、paragraphとh1〜h6から選ぶ見出しプリセット、背景色・文字色、枠線のスタイル・太さ・不透明度と、見た目に関するものだけです。
行そのものであるblocks/_accordion-row.liquidは、こう描画します。
<details class="details" data-testid="accordion-details" {% if block_settings.open_by_default %}open{% endif %}>
<summary class="details__header">
...
{{ block_settings.heading }}
</summary>
<div class="details-content">
{% content_for 'blocks' %}
</div>
</details>
重要なのは{% content_for 'blocks' %}です。この行のスキーマは@themeと@appのブロックを受け付けます。つまりHorizonのアコーディオン行はコンテナであり、テキスト・画像・動画に加えて、レビューウィジェットやサイズチャートといったサードパーティのapp blockを、タブアプリを挟まずに行の中へ入れられます。Dawnの単一のrichtextフィールドにはできないことです。
どちらにも「タブ」はない
コンテンツ領域の上部に横並びのタブを並べたい場合、Shopifyの無料テーマはどちらもその機能を持っていません。Horizonではaccordion.liquidにも_accordion-row.liquidにも「tab」という語が一度も出てきません。Dawnでは、内部のブロック型名として出てくるだけです。これがこのカテゴリでアプリを買う最も明確な理由であり、ランキング記事がまず書いていない点でもあります。
アプリ紹介記事が飛ばしている標準機能
タブアプリを入れる動機として最も多いのは、「標準ブロックだと全商品に同じ文章しか出せないので、商品ごとに変えたい」という誤解です。Shopify自身のドキュメントがそれを否定しています。
テーマの設定値は、テーマエディタからdynamic sources(商品メタフィールドやリソース属性)に接続できます。対応関係はShopifyが公開しています。richtext設定はrich_text_field、multi_line_text_field、single_line_text_field、list.single_line_text_fieldのほか、数値・日付・計量系の型を受け付けます。text設定はそこからリッチテキスト系を除いた範囲。page設定はpage_referenceを受け付けます。
これをDawnの4つの設定に当てはめると、実務としてはこうなります。
- 商品ごとの本文 — Rich text型の商品メタフィールドを定義し、ブロックの
content設定に一度接続すれば、以降は各商品が自分の内容を描画します。ブロック1つ、接続1回で商品数は無制限です。 - 商品ごとの見出し —
headingに単一行テキストのメタフィールドを接続すれば同じことができます。 - 1か所で編集する共有ブロック —
page設定に「配送・返品について」のページを指定します。そのページを直せば、そのブロックを使う全商品に反映されます。商品グループごとに内容を変えたい場合は、page_referenceメタフィールドで商品ごとに参照先を選べます。
タブアプリを導入する動機のかなりの部分は、ここでカバーされます。課金する前に一度試す価値があります。
上限は決まっている
標準機能も無制限ではなく、上限はドキュメント化されています。
| 上限 | 値 |
|---|---|
| 1セクションあたりのブロック数 | 50(セクション側がmax_blocksでさらに下げることは可能) |
| 1 JSONテンプレート/セクショングループあたりのブロック数 | 1,250 |
| テーマブロックの入れ子の深さ | セクションを除いて8階層 |
| 1 JSONテンプレートあたりのdynamic sources | 100 |
| 1つの設定内のdynamic sources | 50 |
アコーディオン行として50ブロックは十分な余裕です。注意すべきは商品ページですでにメタフィールドを多用している場合の「1テンプレート100 dynamic sources」のほうです。
各記事が今も薦めていて、しかしインストールできないアプリ
比較に入る前に、参照元についての注意を1つ。NexusMedia OÜの Easy Tabs ‑ Product Tabs は、2026年付けの「おすすめ商品タブアプリ」記事やアプリディレクトリの多くで先頭に置かれ、評価4.9・レビュー705件・月額5ドルとして紹介されています。App Storeのリスティングは別のことを表示します。

出典: Shopify App Store(Easy Tabs ‑ Product Tabs、2026-09-08時点)
「現在このアプリはShopify App Storeでご利用いただけません。サポートに関するご質問は、NexusMediaに直接お問い合わせください。」——サードパーティのアプリディレクトリは、いまも星評価と月額料金つきの現行アプリとして掲載しています。実際にはインストールできません。このカテゴリで読むランキングは、いつ時点のものか分からないスナップショットとして扱ってください。
アプリ4本、課金単位も4種類
4本とも、既存の商品説明を見出しで分割してタブを自動生成する機能を備えています。そこは共通の土台です。違うのは、何に対して課金するかです。
| アプリ | Built for Shopify | 評価(レビュー数) | 無料プランの上限 | 有料の最低額 | 課金単位 |
|---|---|---|---|---|---|
| Tabs Studio | あり | 5.0(174) | 共有タブ1個、アイコン5個 | 月額3ドル | 共有タブ数とアイコン数 |
| Trusted Product Tabs with AI | あり | 5.0(99) | 共有タブ1個 | 月額4.99ドル | 共有タブ数とAI生成 |
| Advanced Product Tabs | あり | 4.5(23) | 商品3点、タブ1個 | 月額2.99ドル | 商品数、その次に機能 |
| FOLDER ‑ Smart Product Tabs | なし | 4.7(453) | 標準タブ無制限、ただしアプリのブランディング表示あり | 月額5ドル | 共有タブか標準タブか、ブランディング |
4本のうち3本が Built for Shopify バッジを持ちます。サブスクリプションの代わりに買い切りを用意しているのはFOLDERのみで、89.95ドルです。料金はすべてUSD建てで請求されます。
Tabs Studio

出典: Shopify App Store(Tabs Studio、2026-09-08時点)
開発元はStation、掲載開始は2018年1月23日です。無料プランでは見出しから生成するタブは無制限ですが、共有タブは1個、アイコンは5個までです。月額3ドルのEssentialで共有タブ10個・アイコン50個、月額6ドルのPlusで共有タブ無制限・アイコン250個になります。有料プランの無料体験はどちらも3日間と短いので、検証の段取りを先に決めておくべきです。
差別化点は割り当ての条件設定です。共有タブをコレクション・タグ・商品タイプ・ベンダーで適用でき、メタフィールドの値をコードなしで共有タブに表示できます。リスティングにはタブとアコーディオンが「fully responsive and WCAG 2.1 compliant」と記載されています。評価は174件で5.0、内訳は5つ星168件、4つ星5件、3つ星1件、それ以下は0件です。データアクセスにはオンラインストアのページ、スクリプトタグ、テーマの編集が含まれます。
Trusted Product Tabs with AI

出典: Shopify App Store(Trusted Product Tabs with AI、2026-09-08時点)
カウナス拠点のTrusted appsによるアプリで、掲載開始は2023年3月17日です。4本の中で唯一、両方のレイアウトを明記しています。「Present your content using either a vertical accordion or horizontal tabs」。横並びタブが目的なら、この一文が判断材料になります。
無料プランはここでも共有タブ1個が上限です。有料は月額4.99ドルまたは年額49.99ドルで、どちらも7日間の無料体験があり、共有タブ無制限とAIによる商品説明生成が付きます。アクセシビリティはWCAG 2.0と記載されています。評価は99件すべてが5つ星の5.0で、これは「欠点がない」ではなく「まだ新しく件数が少ない」と読むべき数字です。データアクセスはオンラインストアのページとテーマで、スクリプトタグは含まれません。
Advanced Product Tabs

出典: Shopify App Store(Advanced Product Tabs、2026-09-08時点)
米国ミシガン州ランシングのPolar Bear Commerceによるアプリで、掲載開始は2023年4月20日です。H2/H3タグで商品説明を分割し、カスタムHTMLに対応し、Online Store 2.0と旧世代テーマの両方への対応を明記しています。この明記は4本中これだけで、標準のアコーディオンブロックがそもそも存在しない旧テーマを使っている場合に効いてきます。
料金は注意して見る必要があります。中間プランが単純な上位互換になっていないためです。

出典: Shopify App Store(Advanced Product Tabs、2026-09-08時点)
無料プランには Full translation support と Metafields & dynamic tabs が並びますが、商品3点・タブ1個という上限が付きます。月額2.99ドルのStarterはその上限を外す代わりに、翻訳もメタフィールドも記載がありません。両方を取り戻すには月額4.99ドルのPremiumまで上がる必要があります。多言語ストアを運用している、あるいはメタフィールドに依存しているなら、Starterは金を払って機能が減る選択です。無料からPremiumへ直接上がるのが妥当です。
評価は23件で4.5、内訳は5つ星22件と1つ星1件です。その1件は2026年8月25日、2年近く使っている米国のマーチャントによるもので、「3日待っても返信が1つもない。タブを削除したのに商品ページに表示され続けている」と述べています。1件は1件でしかありませんが、総数23件ではサポート実績の判断材料もまた乏しいということです。
FOLDER ‑ Smart Product Tabs

出典: Shopify App Store(FOLDER ‑ Smart Product Tabs、2026-09-08時点)
ワルシャワのTK Digitalによるアプリで、掲載開始は2017年7月4日、比較した中で最もレビュー数が多く453件・4.7です。4本のうちBuilt for Shopifyバッジがない唯一のアプリでもあります。共有タブはLiquidコードに対応し、Judge.me、Fera Product Reviews、Kudobuzz、Yotpoとの連携が記載されています。
無料プランは最も手厚く見え、最も誤読されています。「Unlimited Standard product tabs」とは商品説明から生成されるタブが無制限という意味で、共有タブは有料機能です。無料プランではアプリのブランディングも表示されます。2025年3月の1つ星レビューはこの無料プランを「completely misleading」と書き、開発元の公開返信は無料プランに含まれるのが商品説明から生成される標準タブであることを説明しています。どちらの記述も正しく、指しているものが違うだけです。
評価の分布は4本中で最も広く、5つ星381件、4つ星38件、3つ星7件、2つ星8件、1つ星19件です。有料は月額5ドル、年額48ドル、または買い切り89.95ドル。データアクセスにはスクリプトタグ、テーマ、アプリが制御するパス上のページコンテンツが含まれます。
スクリプトタグについて確認すべきこと
4本のうちTabs StudioとFOLDER ‑ Smart Product Tabsの2本が、オンラインストアのスクリプトタグの権限を要求しています。ShopifyはこのAPIに期日を設定しました。2026年10月1日からscriptTagCreateとscriptTagUpdateはユーザーエラーを返し、ScriptTag REST Admin APIはPOSTとPUTを拒否します。そして2027年3月1日に、Shopifyはストアフロントへのスクリプトタグの注入を停止します。移行先として案内されているのは、theme app extensionで提供するapp embed blockです。
権限を要求していることと、描画をそれに依存していることは同じではありません。どちらのリスティングにもフロントエンドの配信方式は書かれていません。ただし導入前にサポートへ投げる質問としては妥当です。「2027年3月1日以降、このアプリのフロント側の一部でもスクリプトタグ経由の配信はありますか」。権限を要求していない2本には、そもそもこの質問が発生しません。
選び方
- 全商品で同じ内容、モダンテーマ — 標準ブロックで足ります。Dawnの
collapsible_tab、またはHorizonのアコーディオン行。費用もアプリも不要です。 - 商品ごとに内容を変えたい — これも標準の範囲。ブロックの
content設定に商品メタフィールドをdynamic sourcesで接続します。 - 本当に横並びタブが必要 — リスティングで両レイアウトを明記しているのはTrusted Product Tabs with AIです。
- 商品数が多く、条件で一括割り当てしたい — コレクション・タグ・タイプ・ベンダーで共有タブを割り当てられるTabs Studio。必要な共有タブ数に応じて月額3ドルか6ドルです。
- 多言語ストア — Advanced Product Tabsですが、無料プランか月額4.99ドルのPremiumで。月額2.99ドルのStarterは避けてください。
- 標準のアコーディオンブロックがない旧テーマ — 2.0以前のテーマへの対応を明記しているのは、4本中Advanced Product Tabsだけです。
- 毎月の支払いをやめたい — 買い切りがあるのはFOLDERのみで89.95ドルです。
導入前に
App Storeを開く前に、テーマエディタで商品テンプレートのブロック一覧を見てください。そこに「折りたたみ行」や「アコーディオン」があるなら、プラットフォーム側の問いはすでに解決済みです。残るのはもっと狭い問いです——横並びのレイアウトが要るのか、既存の商品説明を自動分割したいのか、条件による一括割り当てが要るのか。実際に金を払う対象はこの3つです。
答えがイエスなら、「無料」という言葉ではなく無料プランの箇条書きを読んでください。このカテゴリの無料プランはどれも、タブ数ではなく共有タブの数で制限されています。そして共有タブこそ、多くの場合アプリを入れたかった理由そのものです。
参考
- Shopify/dawn —
sections/main-product.liquid、Dawn 16.0.0リリース(2026年8月10日公開) - Shopify/horizon —
blocks/accordion.liquid、blocks/_accordion-row.liquid、config/settings_schema.json(theme version 4.1.5) - shopify.dev — Dynamic data sources
- shopify.dev — Theme limits
- shopify.dev changelog — Script tags are deprecated and will stop running on March 1, 2027
- Shopify App Storeの各リスティング(Tabs Studio、Trusted Product Tabs with AI、Advanced Product Tabs、FOLDER ‑ Smart Product Tabs、Easy Tabs ‑ Product Tabs、いずれも2026年9月8日時点)
Shopify App Storeの「Product comparison」カテゴリーに載っているアプリを全件数えました。223本のうち149本は名前にsize・fit・try-onなどが入るサイズチャート/バーチャル試着アプリです。compare・spec・table系の名前を持つのは46本で、その46本のレビュー総数は297件。同じカテゴリーにいるサイズチャートアプリ1本が1,197件を持っています。さらに命名の問題があります。Liquidの`compare_at_price`は値引き前価格、Horizon 4.1.5の`comparison-slider`ブロックはビフォーアフター画像のワイプ、`product-custom-property`は購入者の入力欄です。そのうえでアプリ10本を比較すると、課金単位が6種類バラバラで、開発ストア限定の「無料プラン」があり、商品ページに広告が出る無料枠があります。料金は2026年9月8日にShopify App Storeで確認。