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Shopifyは6月にチャネル別価格を解禁した|ただし多くのマーチャントが欲しかったPOSは、月89ドルの向こう側にある

2026年6月17日、ShopifyはChannel MarketsをMarketsを使う全マーチャントに開放しました。マーケットプレイスチャネルに独自価格を設定できるようになった一方で、マーチャントが何年も聞き続けてきた「店頭とオンラインで価格を変えたい」への答えにはなっていません。Shopify POSはchannel marketではなくRetail marketで、ヘルプセンターはRetail marketsのカタログカスタマイズにPOS ProまたはPlusプランを要求します。Shopify自身の記述で月89ドル×ロケーション数です。POS Liteではさらに率直で、同一リージョンの実店舗とオンラインストアは同じカタログを共有すると明記されています。回避策を売る2本のアプリは月9.99〜19.99ドルで、どちらもCart Transform APIを使います。そしてShopifyのFunctionsドキュメントは、そのAPIがPlus以外・POS内・注文編集時に何をできないかを明記しています。調査日は2026年9月7日です。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 読了 15#Shopifyブログ運営#アプリ比較

この記事でわかること

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オリーブオイル1本が28ドルで売れる通りに家賃を払っている店がある。同じ1本をオンラインで送料込みで売ると、19ドルのマーケットプレイス出品と戦うことになる。マーチャントが欲しいのは、1つの商品、1つのSKU、1つの在庫数と、2つの価格です。

Shopifyにはもう答えがあります。ただし6月に届いたものとは別の場所にあります。

結論

変わったこと。 2026年6月17日付のShopify changelogはこう書いています。"Channels are now available as a market type in Shopify Markets... Channel Markets are now available to all merchants using Markets." Marketsのプラン表でも Create channel marketsCustomize product catalogs は、Starter and Basic、Grow、Advanced、Plusのすべてにチェックが付いています。

変わらなかったこと。 この文脈でShopify POSはsales channelではありません。店頭価格が通るのは Retail markets で、Retail marketsのページは冒頭にプラン要件を置いています。"Customizing catalogs to use with Retail markets requires that your store uses POS Pro or for your store to be on the Shopify Plus plan."

その金額。 ShopifyのPOSコスト解説記事はPOS Proを "$89/month per retail location" と記載し、計算まで書いています。"A two-location retailer pays $178/month in POS Pro fees on top of their base subscription; five locations, $445/month."

代替手段。 POSとオンラインの価格差を月9.99〜19.99ドルで売るリスティングが2本あります。どちらも Cart transforms へのアクセスを宣言していて、ShopifyのCart Transform Function APIリファレンスは、lineUpdate operationsを使うアプリはdevelopment storesとPlusストアでしか利用できないこと、POSは "Partially supported" であること、注文編集はサポート対象外であることを明記しています。

Channel Marketsが実際に解禁したもの

channel marketは、条件を国ではなくsales channelにしたmarketです。カタログを割り当てれば、そのカタログは独自の価格、独自の商品リスト、独自の通貨を持てます。Sales channels and Marketsに載っている例は、"to account for TikTok's selling fees that you pay" として価格を上げたTikTok Shopです。

これは本当に有用で、これまでは商品を複製するかコネクタアプリのマークアップ欄に頼るしかありませんでした。ただし制約が3つあり、どれもchangelogには書かれていません。

広告チャネルには独自価格を設定できない。 Shopifyはチャネルを2種類に分けています。traffic-generating channels——GoogleやMeta——は購入のために買い手を自社のオンラインストアへ送るため、ヘルプセンターは明示的です。"the products must be published to your online store and they need to have the same pricing as your online store. If you try to apply custom catalog pricing to a market for a traffic-generating channel, then a warning message is displayed." 独立した価格を持てるのは、購入が第三者プラットフォーム上で完結するorder-generating channelsだけです。

カタログは足し算であって引き算ではない。 "Adding a catalog to a channel market doesn't replace or exclude the country or region market's products. To restrict which products appear in the channel, adjust the parent market's catalog." 5商品のカタログをchannel marketに割り当てて、そのチャネルに5商品が並ぶと期待したマーチャントは、5商品と親marketのカタログ全部を見ることになります。

Agentic storefrontsは対象外。 同じページに、agentic storefrontsのsales channelはchannel marketsに追加できないと記載されています。AIアシスタント経由の流入が増えるほど、この一行の重みは増します。

POSは別のmarket typeで、別の請求書が来る

Shopify Communityのスレッドで繰り返されている質問は、ほぼ常に「TikTokとオンライン」ではなく「店頭とオンライン」です。その経路はRetail marketsを通り、プランのゲートは実在します。

POS Proなら、Retail markets overviewが "You can set different pricing for Shopify POS and for your online store in the same region." と書くとおりで、flagship、outlet、pop-upといったロケーション種別ごとに価格を変えることもできます。

すべての有料プランに含まれる対面販売機能——POS Lite——の場合、同じページの書きぶりは珍しく率直です。

Locations that are on Shopify POS Lite use Region markets only.

You can't apply different market settings to retail and online customers within the same region. Region markets apply in the same way to your online store and to retail locations in that region.

You can't create separate groups of retail locations in one region that each have different market configurations.

つまりPOS Proなしでは、店頭価格の設定が面倒になるのではありません。米国の実店舗と米国のオンラインストアは定義上ひとつのmarketであり、ひとつのカタログを共有する、ということです。

同じページからもう2点、導入計画に持ち込む価値があります。Retail marketsはShopify POSアプリのバージョン10.3.0以上を必要とします。そしてB2Bの企業別価格はレジまで届きません。"If a customer has access to B2B pricing for a company location, then they can't access those prices through Shopify POS, and need to purchase from your online store instead."

回避策のほうも89ドルかかる

よく提案される回避策は、カタログを使わずレジで自動割引を走らせる方法です。ShopifyのPOSサブスクリプション比較表は、Automatic discounts について、有料プラン付属の対面販売機能にバツ、POS Proにチェックを付けています。手動割引とディスカウントコードは両方で使えますが、これらは1回の販売ごとにスタッフの操作を要求します。

Custom sales——空の明細に価格を打ち込む方法——は両方の階層で使えます。同時に、商品単位のレポートを失う方法でもあります。

課金を回避できる唯一の道は、POS専用のリスティングとして商品を複製することですが、これは在庫レコードを分割します。以下の2ベンダーはどちらもこの問題を名指しで訴求しています。マーチャントが最初に何を試したかの、まずまず正確な指標です。

アプリという経路と、Functionsドキュメントの記述

VariPrice ‑ POS Custom Pricing

VariPrice ‑ POS Custom PricingのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(VariPrice ‑ POS Custom Pricing、2026-09-07時点)

GulaNova TechのVariPrice ‑ POS Custom Pricingは、商品ごと・POSロケーションごとに価格を設定し、管理画面から一括のCSVインポート・エクスポートで運用します。2024年8月19日ローンチで、2026年9月7日時点ではレビュー6件・5.0でした。

VariPrice ‑ POS Custom Pricingの料金プラン。無料のStarter、月額9.99ドルのGrowth、月額19.99ドルのProの3段構成

出典: Shopify App Store(VariPrice ‑ POS Custom Pricing、2026-09-07時点)

無料のStarterは商品200件まで、POSロケーション1か所まで。月額9.99ドルのGrowthは商品上限が外れ、POSロケーションは5か所まで。月額19.99ドルのProはロケーション上限がなくなります。有料プランには7日間の無料体験が付きます。

機能一覧より重い仕事をしているのは、説明文の2文です。"Needs Internet connections. Not compatible with other apps that use the Cart Transformer function."

MultiPrice: Custom POS Pricing

MultiPrice: Custom POS PricingのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(MultiPrice: Custom POS Pricing、2026-09-07時点)

Precharm, LLCのMultiPrice: Custom POS Pricingは2025年6月18日ローンチで、2026年9月7日時点ではレビュー6件・3.1でした。Businessプランは月額9.99ドルで、"For all Shopify merchants" と記載され、商品数無制限・POSロケーション無制限。月額19.99ドルのProは "For Shopify Plus merchants" と記載され、"Plus-optimized line-item display in POS" が加わります。有料プランはどちらも7日間の無料体験付きです。

このリスティングの最近のレビューは、価格ロジックの話ではありません。2026年6月3日、米国のマーチャントがPOSが "kept saying failed to load" になりサポートから返信がないと書いています。2026年8月7日には、イタリアのマーチャントがShopifyのアップデート後にレシートへVATが表示されなくなったと書いています。6件は小さな母数で、そのうち2件が未回答のサポートを訴えています。

どちらのリスティングにもBuilt for Shopifyバッジは表示されていません(2026年9月7日確認)。

2本のアプリが実際にやっていること

どちらもデータアクセス欄で Edit Shopify Functions: Cart transforms を要求しています。つまりCart Transform Function APIの下にあり、そこに書かれた制約はそのままストアに転移します。

  • 衝突しうる。 "You can install a maximum of one cart transform function per app on each store. If a store has cart transform functions from more than one app, all of them run." 同じリファレンスは、カート明細を構成要素へ展開する、複数明細を1つのバンドルへ統合する、といったバンドル用途をこのAPIの主要ユースケースとして挙げています。つまりストア内でその枠をすでに埋めている可能性が最も高いのはバンドルアプリです。VariPriceはこの衝突を明言しています。
  • 価格を直接上書きするoperationはPlus限定。 リファレンスには "Only development stores or stores on a Shopify Plus plan can use apps with lineUpdate operations." という注記があり、update operationsにも同じ制限が付いています。両アプリは全プラン対応を掲げているため、Plus以外のストアでは別のoperationで価格を変えていることになります。1シーズン分の価格を預ける前に、各ベンダーへ確認する価値があります。
  • POSは "Partially supported"。 互換性リストはPOSにこう条件を付けています。"ProductVariant.requiresComponents boolean has to be true for complete cartTransform support on POS."
  • 注文編集には引き継がれない。 Order Editは管理画面・チェックアウトの双方でサポート対象外です。Create Order APIも、サブスクリプションも、Pre-orderとTry Before You Buyも同様です。
  • ネットワークを必要とする。 VariPriceがそう書いています。Shopify POSは現金決済ならオフラインでも売り続けますが、Shopifyのバックエンドで走るcart transformは走りません。

3つの経路を比較する

Retail markets(標準機能)VariPrice ‑ POS Custom PricingMultiPrice: Custom POS Pricing
要件POS ProまたはPlusプラン全プラン全プラン
コスト実店舗1ロケーションにつき月89ドル無料 / 月9.99ドル / 月19.99ドル月9.99ドル / 月19.99ドル
ロケーション上限ロケーション単位のサブスクリプション無料1 / Growth 5 / Pro 無制限POSロケーション無制限
商品数上限記載なし無料200件、有料は無制限無制限
仕組みmarketに割り当てたカタログCart transformCart transform
他アプリとの競合記載なし"Not compatible with other apps that use the Cart Transformer function"記載なし
POSのオフライン動作価格は商品レコード側にある"Needs Internet connections"記載なし
レビュー5.0(6件)3.1(6件)
Built for Shopifyなしなし

数値はShopifyヘルプセンターと2本のApp Storeリスティングより、2026年9月7日取得。

どれを選ぶか

すでにPOS Proを払っている。 Retail marketsを使ってください。すでに買っているサブスクリプションの上でカタログは無料で、価格はカートを書き換えるfunctionではなく商品レコード側に載り、バンドルや割引のスタックが危険にさらされることもありません。POS Proには全ロケーションでの返品、スタッフ権限、アプリ内の在庫管理も含まれるため、常設店舗はすでに支払っていることが少なくありません。

POS Liteの1ロケーションで、価格差だけが欲しい。 月9.99ドルと月89ドルは、コストで見れば接戦ですらありません。無料体験のあいだに3点を確認してください。ディスカウントコードを適用したPOSカートで価格が正しいか。あとから管理画面で編集した注文の合計が正しいか。バンドルやボリュームディスカウントのアプリが従来どおり動くか。

複数ロケーションでロケーションごとに価格が違う。 Retail marketsはflagshipとoutletのようなロケーションのグルーピングを一級の概念として持っています。VariPriceもロケーション単位で価格を持ち、月19.99ドルでロケーション無制限です。5ロケーションなら標準機能側はPOS Pro費用だけで月445ドルになるので、その5店舗がPOS Proから他に何を得ているかを数えなければ、比較は公平になりません。

マーケットプレイスチャネルで価格を変えたい。 それはchannel marketsの領分で、全プランで使え、アプリは不要です。ただしGoogleとMetaでは使えず、そこでは価格をオンラインストアと一致させる必要があります。

レジでB2B顧客に別価格を出したい。 できません。B2Bの企業別価格はPOSの購入には適用されません。

導入前に確かめること

どの経路を取るにせよ、壊れる場所は価格の表示ではなくレポートと突合です。cart transformが届ける価格は、商品の価格ではありません。カート明細に適用された変更です。分析、会計連携、レシートテンプレートがそれをどう扱うかは、繁忙期の最中ではなくその前に確認してください。

プランの計算も年に一度は見直す価値があります。ShopifyのコストガイドはベースプランをBasic 39ドル、Grow 105ドル、Advanced 399ドル、Plus 2,300ドルと記載し、PlusプランにはPOS Proの最初の20ロケーションが含まれます。多店舗化していく小売事業者にとって、POS Pro費用が安い答えでなくなる分岐点は動きます。

参考・出典

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