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アプリ比較

Shopify POSが「1バリアントに複数バーコード」に対応した。ただし管理画面に入力欄がまだない|代替バーコードを扱う3アプリの課金単位

2026年9月1日のShopify Changelogは、Shopify POSがバリアントに紐づくどのバーコードでも商品を特定できるようになったと告知しました。POS v11.14で自動的に有効になり、GTIN、EAN、ASIN、SKUベースのコードが対象です。ただし告知は「追加のバーコードは事前にShopify管理画面でバリアントに紐づけておく必要がある」で終わっています。POSのヘルプページは同じ内容に更新されましたが、管理画面側のドキュメントはInventoryセクションの単一のBarcodeフィールドのままで、9月3日にはShopifyパートナーが開発者フォーラムで「管理画面にもunstableを含むAPIにも新しいものが見当たらない」と報告しています。この記事では2026年9月6日時点の一次情報で入口と出口のズレを整理し、代替バーコードを今日扱えるEasyScan Inventory & Barcode、iPacky、syncXの課金単位を比較します。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 15#アプリ比較

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

2026年9月1日、Shopify ChangelogにScan and search variants with multiple barcodesが公開されました。Shopify POSが、1つのバリアントに紐づくどのバーコードをスキャンしても正しいバリアントを引ける、という内容です。

Shopify Communityで2021年から繰り返し要望が出ていた機能なので、実店舗を持つマーチャントにとっては大きな更新です。

ただし、告知の最後の1文が問題です。

Additional barcodes must first be associated with the product variant in Shopify Admin.

2026年9月6日時点で、この記事が確認した範囲のShopify公式ドキュメント(告知がリンクするヘルプページ、およびAdmin APIリファレンス)に、その「Shopify管理画面で紐づける」方法は書かれていません。

Changelogが実際に書いていること

告知の内容自体は具体的です。

スタッフはバリアントに紐づくいずれかのバーコードでスキャンまたは検索でき、対象にはGTIN、EAN、ASIN、SKUベースのコードが含まれます。どのバーコードを使っても、Shopify POSは正しいバリアントを表示します。

適用範囲も明記されています。Shopify POS v11.14で自動的に利用可能になる、という書き方です。ユーザーが有効化する設定項目ではありません。

想定シーンは、仕入先・チャネル・パッケージ形態ごとにラベルが違う商品です。同じ商品を2社から仕入れていて、片方はEAN、もう片方は独自コードを貼っている、といったケースが該当します。AmazonのFBA向けFNSKUラベルが貼られた在庫を実店舗でも売る場合も同じです。

POSのヘルプページは更新済み

Shopify Help CenterのSearching for products in Shopify POSは、この変更を反映済みです。

A variant can have more than one barcode, such as codes from different suppliers or a Global Trade Item Number (GTIN), and you can scan any of these barcodes to find the product.

さらに、スキャン場所による挙動の違いまで書かれています。

  • 検索バーのでバリアントのバーコードをスキャンすると、そのバリアントに直接マッチする
  • 検索バーのでスキャンすると、まず親商品が検索結果に出て、そこからバリアントを選ぶ

そして最後に、こう続きます。

You can add and manage a variant's barcodes in your Shopify admin.

リンク先は、商品の追加・更新に関する一般的なヘルプページです。

管理画面側のドキュメントは1つのままである

そのリンク先をたどっても、複数バーコードの入力方法は出てきません。

Product details pageのInventoryセクションが列挙しているのは、SKUBarcode (ISBN, UPC, GTIN, etc.) の2つだけです。Barcodeは単数形のフィールドとして説明されています。

Adding variantsも同じです。バリアントごとに設定できる項目として「prices, quantities, SKUs, barcodes, HS codes, country/region of origin, and locations」が挙げられていますが、1バリアントに2つ目のバーコードを追加する手順は書かれていません。

つまり、出口(POSのスキャン)は複数バーコード前提に更新されているのに、入口(管理画面のデータ入力)が単一のままです。

開発者フォーラムでの報告

この違和感は、Shopify Partner側からも指摘されています。

2026年9月3日、Shopify Developer Community ForumsにMulti barcode release?というスレッドが立ちました。投稿者のTommy_Gaudreau氏は、クライアントにとって重要な機能なので確認したところ、と前置きしたうえでこう書いています。

Though there doesn't seem to be anything new in the admin to associate multiple barcode. I was hoping to see something at least in the unstable API, but nothing new in the APIs either.

管理画面にも、unstableを含むAPIにも、複数バーコードを登録する新しい仕組みが見当たらない、という報告です。GraphQL Admin APIのProductVariantが持つbarcodeは、現在も単一の文字列フィールドです。

2026年9月6日時点で、このスレッドに返信は付いていません。

Shopify自身の他ドキュメントとも整合していない

複数バーコードを前提にしていないShopifyの記述は、他にもあります。

Understanding barcodesのベストプラクティスは、いまも次の2点を推奨しています。

  • Print unique barcodes for each product variant
  • Don't put multiple barcodes on your product.

これは物理的なラベル貼付の話で、データ側の話ではありません。ただし、同じヘルプセンター内で「バリアントは複数のバーコードを持てる」と「商品に複数のバーコードを貼るな」が並んでいる状態です。

Shopifyアプリの在庫スキャナーはもっと明確です。Scan your inventory using the Shopify appの手順は、既にバーコードを持つ商品にスキャンしたコードを割り当てる場合、Replace barcode(置き換え)をタップする、と指示しています。追加ではありません。

同じページのエラー一覧には、Barcode assigned to multiple products(そのバーコードは複数の商品に割り当てられている)が異常系として載っています。

5年近く残っていた要望

需要側の記録も残っています。

Shopify CommunityのCan you use multiple barcodes for the same item in Shopify POS?は2021年12月12日の投稿です。投稿者は「メーカーがバーコードを変えることがあるので、同一商品に最大3つのバーコードを保持したい。多くのPOSシステムはこれができる」と書いています。

このスレッドには2022年、2023年、そして2024年11月6日の「Any news on this functionality?」まで書き込みが続いています。関連スレッドとして、How can I input multiple barcodes for product variants?Multiple Product BarcodesCan we add two barcodes to a single variant for retail POS? などが並んでいます。

需要が薄かったから実装されなかった機能ではありません。

代替バーコードを今日扱えるアプリ

管理画面に入力欄が現れるまでの間、代替バーコードを扱う方法は、アプリ側に「エイリアス」として持たせることです。

ここで重要なのは、いずれのアプリも「Shopifyのバリアントレコードに2つ目のバーコードを書き込む」とは公式情報で説明していないという点です。エイリアスはアプリのデータベース側に存在し、そのアプリのスキャン画面で機能します。Shopify POSのレジ画面で有効になる、とも各アプリの公式情報には書かれていません。

用途が「レジでのスキャン」なのか「倉庫でのピッキング検品」なのかで、選択肢が変わります。

EasyScan Inventory & Barcode

EasyScan Inventory & BarcodeのShopify App Storeリスティングページ上部。Built for Shopifyバッジと5.0(356件)の評価が表示されている

出典: Shopify App Store(EasyScan Inventory & Barcode、2026-09-06時点)

EasyScan Inventory & BarcodeはDeveloperが506、Built for Shopifyバッジ付き、2026年9月6日時点の評価は356件で5.0です。Shopify POS、Shopify Flow、Shopify Adminと連携すると記載されています。

代替バーコードに相当する機能はBarcode Aliasesです。公式のSubscription plansページは、この機能を「Manage multiple barcodes for single SKUs」と説明しています。

問題は、どのプランに入っているかです。

EasyScan Inventory & Barcodeの料金プラン4段。「バーコードエイリアス」の記載は月額129.99ドルのProプランのみにある

出典: Shopify App Store(EasyScan Inventory & Barcode、2026-09-06時点)

プランはBasic $9.99/month、Standard $39.99/month、Advanced $79.99/month、Pro $129.99/monthの4段で、いずれも10日間の無料トライアルと年払い17%割引が付きます。Barcode Aliasesが載っているのは、最上位のPro $129.99/monthだけです。

Basicはバーコード生成とラベル印刷専用で、公式FAQは「スキャンして在庫を更新したりオーダーをフルフィルしたりする場合はStandardが必要」と明記しています。

iPacky | Pick Pack & Fulfill

iPacky | Pick Pack & FulfillのShopify App Storeリスティングページ上部。Free plan availableと5.0(119件)の評価が表示されている

出典: Shopify App Store(iPacky | Pick Pack & Fulfill、2026-09-06時点)

iPacky | Pick Pack & FulfillはノルウェーのiPackyが開発する、ピッキングと梱包検品のアプリです。2026年9月6日時点の評価は119件で5.0です。

同社のBarcode aliasesページは、前提をはっきり書いています。

Shopify does not have support for a product having more than one barcode.

そのうえで、iPacky側では1商品に複数のバーコードを持たせられ、同一商品を複数の仕入先から仕入れていてバーコードが異なる場合でも、どれをスキャンしても受け付ける、と説明しています。「Shopifyの商品を開いてバーコードを変更しに行く必要がなくなる」という書き方からも、エイリアスがiPacky側に存在することが読み取れます。

課金単位はEasyScanとまったく違います。

  • Starter: 無料。ただし月50件のショップオーダーが上限
  • Standard: $19.99/month に加えて、処理オーダー数に応じた従量課金。最初の500件は1件$0.099、次の2,000件は$0.08、次の2,500件は$0.055、5,000件超は$0.039

なお、Barcode aliasesがどのプランから使えるかは、App Storeリスティングにも公式ページにも明記されていません。

syncX: Easy SKU & Barcode Scan

syncX: Easy SKU & Barcode ScanのShopify App Storeリスティングページ上部。Free plan availableと3.7(55件)の評価が表示されている

出典: Shopify App Store(syncX: Easy SKU & Barcode Scan、2026-09-06時点)

syncX: Easy SKU & Barcode Scanは、バーコードまたはSKUで在庫を増減・設定し、ロケーション間で在庫を移動できるアプリです。2026年9月6日時点の評価は55件で3.7です。

このアプリにバーコードエイリアスに相当する機能は記載されていません。 ここで挙げる理由は、課金単位が3つの中で最も安く、かつまったく別の基準だからです。

  • Free plan: 200 inventory update
  • Basic plan: $5/month、100,000 inventory update
  • Pro plan: $10/month、Basicに加えて300,000 order creation
  • Pro X plan: $20/month、Proに加えて商品詳細のインポート

月額の絶対値だけを見て「安いほうでいい」と判断すると、必要な機能が入っていません。

比較

項目EasyScan Inventory & BarcodeiPackysyncX: Easy SKU & Barcode Scan
代替バーコードBarcode Aliases複数バーコード対応記載なし
必要プランPro $129.99/month公式情報に記載なし
最低料金$9.99/monthFree(月50オーダーまで)Free(200更新まで)
課金単位月額固定・機能でプラン分け月額 + 処理オーダー数の従量月額 + 在庫更新回数
無料トライアル10日14日14日
Built for Shopifyありなしなし
評価(件数)5.0(356)5.0(119)3.7(55)

月間オーダー数で逆転する

EasyScanのPro $129.99/monthは固定額です。iPackyのStandardは$19.99/monthに従量が乗ります。公開されている料率で計算すると、次のようになります。

  • 月500オーダー: iPacky = $19.99 + 500 × $0.099 = $69.49
  • 月1,000オーダー: $19.99 + $49.50 + 500 × $0.08 = $109.49
  • 月2,000オーダー: $19.99 + $49.50 + 1,500 × $0.08 = $189.49

EasyScan Proの$129.99を超えるのは、月およそ1,250オーダー付近です。それ以下ならiPackyのほうが安く、それ以上ならEasyScanの固定額が有利になります。

ただし、比較しているのは同じものではありません。iPackyの従量はストアのオーダー数に連動し、EasyScanの$129.99にはUnlimited User AccountsやUser Analyticsも含まれています。オーダー数だけで決めず、必要な機能とセットで見てください。

どう判断するか

Shopify POSのレジでのスキャンだけが目的なら、まず実機を確認する。 POS v11.14以降であれば、Shopifyの説明上は追加バーコードでのスキャンが有効です。ただし2026年9月6日時点では、その追加バーコードを管理画面から登録する手順が公開されていません。段階的なロールアウトの可能性があるため、自ストアの管理画面でBarcodeフィールドの周辺に変化がないかを確認するのが先です。

倉庫でのピッキング検品が目的なら、アプリを検討する意味がある。 POSの更新は店頭スキャンの話であり、出荷前の検品フローとは別です。月間オーダー数が1,250件を下回るならiPacky、それ以上でユーザー数も多いならEasyScanのPro、という判断になります。

バーコードとラベルを作るだけなら、どちらも不要。 バーコード生成とラベル印刷だけが目的なら、より安いプランや無料アプリで足ります。エイリアス機能のために$129.99/monthを払う必要はありません。

アプリ側のエイリアスは、Shopifyのデータではない。 EasyScanもiPackyも、代替バーコードをProductVariantbarcodeフィールドに書き戻すとは公式情報に書いていません。つまりそのコードは、Shopify POS、Shopifyアプリの在庫スキャナー、Admin API、外部の3PLやWMS連携からは見えない前提で設計してください。アプリをアンインストールすれば、その対応表も一緒に失われる前提で考えるのが安全です。

いま確認しておくこと

2026年9月6日時点の状況は、次の3行にまとまります。

  1. Shopify POS v11.14は、バリアントに紐づく複数のバーコードでスキャンできると公式に案内されている
  2. その追加バーコードをShopify管理画面で登録する方法は、告知がリンクするヘルプページには見当たらず、上記のパートナー報告によればunstableを含むAPIにも見当たらない
  3. その間、代替バーコードを実運用で扱うにはアプリ側のエイリアス機能が必要で、EasyScanでは月額129.99ドルのプランに入っている

管理画面に入力欄が現れた時点で、アプリ側のエイリアスをShopifyのバリアントレコードへ移行するかどうかを、あらためて判断することになります。移行するなら、アプリのエイリアス一覧をCSVなどで書き出せるかを、契約前に確認しておくと安全です。

参考

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