この記事でわかること
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Shopify標準のlocal deliveryには配送業者にまつわる問題があります。配送業者そのものが存在しないのです。設定すればcheckoutに配送オプションが表示され注文にタグが付きますが、荷物を玄関まで届ける部分は完全にストア側の仕事です。
変わったのは、Shopifyがついに自前の答えを用意したことです。Uber Directはcheckoutとpos(POS)に直接組み込まれた即日配送の業者ネットワークで、2025年12月に大々的な発表とともに登場しました。ただしShopify Plus限定であり、リスティングのレビューの1つは地域展開が発表と食い違っていると書いています。
以下では、標準のlocal deliveryが何を人任せにしているか、Uber Directが何を変えたか、Plusを要求せず同じ配送業者ネットワークへ届く2本のアプリ、そして一見同じ土俵に見えて実は別物のリスティング1件を整理します。調査日は2026年9月4日、料金はUSD表記です。
要点
- Shopify標準のlocal deliveryの注文ステータスは3つだけで、遷移はすべて手動クリック。Shopifyが配送業者をディスパッチすることはありません。
- Uber Directは配送業者ネットワークをcheckoutとPOSに組み込んだ初のアプリ。Shopify Plus限定、地域による対応差ありと自らのリスティングに明記。
- 2026年7月10日付★1レビューは「フランス以外の加盟店では利用できない」とし、2025年12月10日発表の米国・カナダ・フランス展開と食い違います。
- Nashは自前のcheckoutウィジェットからUber、Roadie、UPS、USPS、Grubhubへ。Plus要件の明記はなく料金はすべて個別見積もり。
- ShipdayはDoorDash Drive等へディスパッチしますが、「Access to 3rd party delivery services」は月額$99のEliteプラン限定機能です。
- Shopify App Store上の「DoorDash」は自社checkout向けの配送手段ではなく、DoorDash自身の消費者向けアプリへの出品です。
標準のlocal deliveryが引き渡すもの
Shopifyのlocal delivery fulfillmentフローは短く作られています。注文はUnfulfilledとして届き、Prepare deliveryをクリックして梱包し、Mark as ready for deliveryをクリック、引き渡したらMark as deliveredをクリック。1注文3クリックが全ワークフローで、配送業者とのやり取りは一切ありません。ディスパッチの呼び出しも、ドライバー割り当ても、GPS位置情報もありません。
Out for deliveryとDeliveredの通知テンプレートも発火しません。Shopifyのヘルプドキュメントは、これらはキャリアの追跡イベントで発火する設計で、local deliveryは追跡イベントを生成しないと明記しています。顧客に自動で届くのはMark as deliveredをクリックした瞬間の確認だけです。
その他の制約(半径100マイル上限、Apple Pay・Google Payのブロック、日時ピッカーの不在)は別記事にまとめました。この記事が扱うのは、実際に荷物を運ぶのは誰か、という問いです。
Uber Direct:Shopify初のネイティブ配送業者ネットワーク

出典: Shopify App Store(Uber Direct、2026年9月4日時点)
Uber Direct自身のリスティングは率直です。オンラインcheckoutとPOSを通じたlocal delivery、Uberのドライバーネットワーク、express・same-day・scheduledという配送オプション。配送料を店舗負担か顧客転嫁かは加盟店が選べ、POSとも連携し店舗スタッフが店頭注文からUberのピックアップを依頼できます。
重要な事実が3つあります。
Shopify Plusが必須。 リスティング要件欄に、Plusプランの加盟店のみ利用可能で、別途Uber Directアカウントが必要と明記。
アプリの月額料金はなく、Uberが直接請求。 インストールは無料、初期費用もありません。配送のたびにUber Directアカウント経由で課金され、金額は距離・時間・場所で変動し、Shopifyの請求書とは別立てで請求されます。
地域展開とマーケティングが、レビューによれば食い違っています。 Uberの発表は米国・カナダ・フランスをローンチ市場としています。調査時点で6件のレビューが★2.9、半数が★1。7月10日付レビューは「フランス以外の加盟店では利用できない」とし、米国の加盟店にインストールを勧めないと書いています。2025年12月と2026年6月の米国加盟店のレビューも登録やオンボーディングのつまずきを訴え(サポートは数日内に返信)、少なくとも一部の米国加盟店では展開が発表に追いついていないように見えます。
リスティング自体は発表より前の2025年4月1日公開で、新規開発ではなく既存アプリの周知拡大だった点も押さえておく価値があります。とはいえcheckoutの中で配送業者を直接選べるのはこの記事で扱う中でこのアプリだけで、Plus限定なのもこのアプリだけです。
Plus未満、あるいは3か国の外側では:NashとShipday
次の2本はいずれもPlus要件を明記しておらず、実在の配送業者ネットワークへ届きます。
Nash: All-in-One Fulfillment

出典: Shopify App Store(Nash: All-in-One Fulfillment、2026年9月4日時点)
Nashのリスティングは、Uber、Roadie、UPSに加えUSPSとGrubhubへの直接アクセスを、店頭受取やShopify自身の配送ラベルと1本のアプリで組み合わせられると説明しています。Nash Cart + Checkout Experienceという機能は、Uber Directと形は似たcheckoutレベルの配送選択ですが、サードパーティ連携です。料金は非公開で「Contact Sales for pricing and onboarding」とだけ示され、有料プラン承認まで課金は発生しません。他の2本は最低限のエントリー価格を公開しており、事前に予算を立てたい場合はギャップです。
Nashは18件のレビューで★3.6平均。2026年4月付★1は、アプリが常にpickupではなくdeliveryをデフォルトにすること、キャンセルしても返金されないことを訴えています。2025年8月と2024年12月の★5レビュー2件はUber配送設定の滑らかさと追跡ページのカスタマイズ性を評価。公開は2023年7月31日で運用実績は最長ですが、レビュー件数は少なく1件の不満でも重みを持ちます。
Shipday : Delivery + Pickup

出典: Shopify App Store(Shipday : Delivery + Pickup、2026年9月4日時点)
Shipdayはレストラン、ベーカリー、花屋、食料品店向けを謳い、パートナーとしてDoorDash Drive、Relay、Roadie、Uberを挙げ、自社のドライバーディスパッチとルート最適化を備えています。
料金は4段階。Starterは無料でディスパッチャー1、月300注文、ドライバー10まで、超過は1注文$0.10。Professionalは月額$39で無制限注文・SMS通知・ルート最適化・API連携付き、30日無料トライアル。Eliteは月額$99でカスタム注文フォーム等に加え――2度読む価値がある点ですが――「Access to 3rd party delivery services」とサードパーティ配送の返金サポートがEliteプラン限定の機能として記載されています。
これが重要なのは、同じリスティング上部にプランを示さず「Instant Access to DoorDash and Uber for Delivery (US & Canada)」という訴求があるからです。上部だけ読めば無料や$39でDoorDash DriveやUberに入れると思い込みかねませんが、実際の料金表ではEliteプラン限定です。Shipday自身の料金ページで確認してください。
Shipdayは7件のレビューで★3.5平均、3本の中でレビュー母数が最も小さく、割り引いて見る必要があります。
同じカテゴリーではない:Shopify自身の「DoorDash」リスティング
Shopify App Storeで即日配送アプリを検索するとDoorDashが出てきます。Uber Directと同じ仕事をすると思い込みやすいところですが、実際は違います。

出典: Shopify App Store(DoorDash、2026年9月4日時点)
リスティングが説明するのは構造的にまったく別物です。DoorDashをShopifyの販売チャネルとして追加する仕組みで、ストアはDoorDash自身の消費者向けアプリに出品され、リスティングの表現では月間アクティブユーザー5,600万人にリーチします。注文は店舗の所在地からDasherがピックアップして配送する新しい販売先であり、自社ストアの注文に紐づく配送手段ではありません。
2026年8月24日付★1レビューは、インストール後に初めて注文を15分以内に準備完了させる要求だと知ったと書いています。アプリ自体は2026年5月14日ローンチとこの記事で最も新しく、料金は「加盟店が選択する機能により変動する」としか記載がなく定額は非公開です。
Uber Directと同等のもの――自社checkoutの注文をDoorDashのネットワークで届ける仕組み――が欲しいなら別物で、その経路はNashとShipdayです。DoorDashアプリ自体は販売チャネルです。
4つの選択肢を並べる
| Uber Direct | Nash | Shipday | DoorDash(Shopifyリスティング) | |
|---|---|---|---|---|
| 実態 | checkout・POS組み込みのネイティブ連携 | マルチ配送業者ディスパッチ+checkoutウィジェット | ディスパッチ・ルートアプリ | マーケットプレイス型販売チャネル |
| Plus必須 | 必須(明記) | 明記なし | 明記なし | 明記なし |
| 料金 | 無料。配送ごとにUber経由で別請求 | Contact Sales | 無料(月300注文)〜$394/月 | 無料。DoorDashの手数料は変動 |
| 到達する配送業者 | Uberのみ | Uber、Roadie、UPS、USPS、Grubhub | DoorDash Drive、Roadie、Uber、Relay($99/月限定) | 該当なし |
| 評価/件数 | 2.9/6件 | 3.6/18件 | 3.5/7件 | 3.7/4件 |
| 公開日 | 2025年4月1日 | 2023年7月31日 | 記載なし | 2026年5月14日 |
評価・件数・料金は2026年9月4日確認のもので変動します。導入前に必ず再確認してください。
選び方
- Plus・米国/カナダ/フランスでcheckout内選択がほしい。 Uber Directが本命ですが、★1レビューを踏まえ自社の国・都市が実際に稼働しているかサポートに確認してから約束を。
- Plus未満、またはUber Directが未稼働の地域。 NashならUberやRoadieへ届きますが料金は非公開でセールス通話が必要です。
- 飲食・花・食品店で自社配送量があり、ルート最適化やドライバーアプリが欲しい。 Shipday Starterは月300注文まで無料。DoorDash DriveやUber接続が目的なら$99/月のEliteを予算に。
- 既存注文の配送手段ではなく新しい販路がほしい。 DoorDashは流通チャネルで配送の仕組みではありません。15分準備要件を確認してください。
- 自社スタッフでlocal deliveryを続けたいだけ。 標準のまま無料で足りますが、自動の配送通知は届きません。
導入前チェックリスト
- ストアはShopify Plusか。
- 自社の都市・国はUber Directで実際に稼働しているか、サポートに確認したか。
- checkout内の配送業者連携が必要か、独立ディスパッチツールで足りるか。
- ShipdayでDoorDash DriveやUberが目的なら、$99/月のEliteプランを確認したか。
- 欲しいのは新しい販売チャネルか、自社checkout向けの配送手段か。
まとめ
標準のlocal deliveryは配送業者向けの製品ではなく、人が運転する前提の注文ステータストラッカーです。Uber Directはこの空白をネイティブに埋める初の試みで、実在の配送業者選択をcheckoutとPOSに置くという、他のアプリにできないことを実現しています。ただしまずPlusの加盟店向けに限られた国で提供され、レビュー履歴を見る限り展開は発表に追いついていないようです。それ以外の加盟店には同じネットワークへ届く経路がNashとShipdayの2つあり、加えて一見3つ目に見えて実は別物のDoorDashが1つあります。料金・地域対応・レビュー件数は変動するため、導入前に必ず各リスティングを再確認してください。
出典
- Fulfilling local delivery orders — Shopify Help Center
- Setting up local delivery for online orders — Shopify Help Center
- Uber Direct brings same-day delivery to Shopify — Uber Newsroom, 2025年12月10日
- Uber Direct、Nash: All-in-One Fulfillment、Shipday : Delivery + Pickup、DoorDashの各Shopify App Storeリスティング(2026年9月4日取得)
Shopify公式の無料アプリCheckout Blocksは、Checkout UI extensions上に構築され、Plus限定のチェックアウトページでカスタムフィールド・注文金額の上限・住所ルール・カスタムディスカウントまで対応する。この記事はネイティブで何ができ、何ができないか(真のワンクリック post-purchase upsell、AIオファーターゲティング、外部ツール連携)を整理し、実在する3本のアプリがどこを補っているかを2026年9月4日時点のShopify公式ドキュメントとApp Storeで確認する。