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12商品に「NEW」バッジを付けたい。看板コレクションに「人気商品」を出したい。よく売り切れるブーツに「残り3点」を表示したい。そう思ってテーマエディタを開き、テーマ設定の「バッジ」を見つけて、そこで調整できるのが角丸の大きさだけだと気づく——。
これはテーマの不足ではありません。それがShopify標準の全機能です。Shopifyの無料テーマが表示する商品バッジは2種類だけで、しかも両方とも手入力できないデータで自動的に決まります。3つ目のバッジを作る管理画面は、どこにも存在しません。
本記事では、DawnとHorizonのソースコードで標準機能の範囲を確認したうえで、その「足りない1つ」を売っているApp Store掲載中のアプリ5本を比較します。注目すべきは機能ではありません(大半が重複しています)。5本とも課金単位が違うため、同じ月額9ドルでも中身がまったく別物になっている点です。
結論
- DawnとHorizonが表示するのはSaleとSold outの2種類。Saleは
compare_at_price > price、Sold outは在庫切れで発動します。if/elsif構造のため、セール中の売り切れ商品には「Sold out」しか出ません。 - カスタムバッジを作る管理画面は存在しません。 テーマ設定で変えられるのは位置・角丸・色だけで、文言も条件も変更できません。
- 在庫僅少表示はカードのバッジではなく商品ページのブロックで、Shopifyが在庫管理している商品にしか効きません。
- Horizonなら、アプリもコードもなしでメタフィールド連動の疑似バッジを作れます。Dawnではできません。
- 紹介する5本のアプリは4種類の異なる単位で課金しており、うち2本はShopify Plus向けの割増料金を設定しています。
Shopifyが標準で表示するもの
Dawn 16.0.0の商品カードのバッジ判定は、snippets/card-product.liquidにある4行がすべてです。
{%- if card_product.available == false -%}
{{- 'products.product.sold_out' | t -}}
{%- elsif card_product.compare_at_price > card_product.price and card_product.available -%}
{{- 'products.product.on_sale' | t -}}
{%- endif -%}
Horizon 4.1.5もblocks/_product-card-gallery.liquidで同じことをしています。バッジは2つ、条件も2つ。文言は固定のロケールキーから来るため、「Sale」を「40%OFF」や「今だけ」に変えるテーマ設定は存在しません。
Shopifyヘルプセンターのテーマ設定ページも同じ線を引いていて、SaleとSold outのバッジは価格を下げたときと在庫数が0になったときに商品画像へ自動追加されること、テーマ設定で調整できるのは位置・形・色であることを説明しています。
Dawn 16で調整できるのは4項目です。カード上の位置(四隅)、角丸(0〜40px)、Saleバッジのカラースキーム、Sold outバッジのカラースキーム。注意すべきは「バッジ」設定群にオン・オフの切り替えが無いことで、Saleバッジを非表示にするエディタ設定は用意されていません。Horizon 4.1.5はもう少し細かく、位置3種類、角丸0〜100px、各バッジの背景色と文字色を個別指定、さらにバッジ用フォントと大文字化の設定があります。
標準の範囲はここまでです。「NEW」「人気商品」「スタッフおすすめ」「限定」「送料無料」「再入荷」——いずれも存在せず、コードかアプリなしでは作れません。
在庫僅少ブロックはバッジではない
両テーマとも在庫僅少の表示自体は持っていて、これをバッジと勘違いしやすいところです。Dawnでは商品セクション内の「Inventory status」ブロック、Horizonでは「Product inventory」テーマブロックです。Horizonのしきい値設定は「Low stock threshold」というラベルで、0〜100の範囲、初期値は10、実際の在庫数を出すかどうかは別トグルになっています。
制約は2点あります。表示されるのはアイコンとテキストで、商品ページのみ。買い物客が実際に一覧を眺めるコレクションページのカードには出ません。もう1点はinventory_managementがShopifyであることが前提で、在庫を外部で管理している商品では在庫あり・なしの表示に戻ります。
アプリを入れる前に試すべきHorizonの回避策
Horizonのblocks/product-card.liquidは子ブロックを受け付け、その一覧にtextブロックとcustom-liquidブロックが含まれています。textブロックの設定はリッチテキスト型なので、テーマエディタの動的ソースに対応します。これはShopifyが公式に案内している、コードなしでブロック設定をメタフィールドへ接続する方法です。
つまりHorizonなら、開発者がいなくても商品カードの中にテキストブロックを追加し、product.metafields.custom.badgeのようなテキストフィールドに接続すれば、商品ごとのラベル文言をコレクションページに出せます。20商品に「人気商品」と入れればその20枚のカードに出て、空にすれば何も出ません。
正直な制約も書いておきます。生成されるのはカード内のインラインテキストで、画像に重なる角のバッジではないため、見た目を揃えるにはCustom CSSが必要です。また動的ソースには条件分岐がなく、「タグがnewなら表示」は表現できません。Dawnは商品カードがブロックではなくスニペットのため、この方法は使えません。
Horizonで「商品ごとに固定のラベルを1つ」が要件なら、まずこれを試す価値があります。条件やスケジュール、画像上のバッジが要るなら、以下を読み進めてください。
アプリが妥当になる条件
次のいずれかに当てはまるなら、アプリが合理的な選択になります。
- バッジが条件に反応する必要がある(在庫がX以下、割引率がY%以上、特定タグ・コレクション・顧客セグメント)
- スケジュールが必要(BFCMで金曜9時に開始、月曜に終了)
- カード・検索結果・商品ページを通じて商品画像の上に出したい
- 同じ商品に複数のバッジを同時に出したい
どれにも当てはまらないなら、標準機能+メタフィールドのほうが安く、テーマに何も追加しません。
5本のアプリ、4種類の課金単位
以下の料金はすべて2026年9月6日にShopify App Storeのリスティングで確認したもので、USD建てです。
| アプリ | 無料プラン | 有料の入口 | 課金単位 | Shopify Plus割増 |
|---|---|---|---|---|
| DECO Product Labels & Badges | 4ラベル/20商品 | $9/month | ラベル数×商品数 | 全有料プランに+$20/month |
| TA AI Product Labels & Badges | 5ラベル/50アイテム、1グループ | $9/month | ラベル数×アイテム数×AIクレジット | 別体系:$29 / $39 / $49 |
| Sami AI Product Labels & Badge | 5ラベル/50商品、1グループ | $9.90/month | ラベル数×商品数 | 記載なし |
| Product Labels & Badges—Lably | ラベルルール1+バッジルール1、商品数無制限 | $7.99/month | ルール数のみ | 記載なし |
| Flair: Product Labels & Badges | なし | $29/month | 条件の高度さ | 記載なし |
価格欄より先に「課金単位」欄を読んでください。3本は無料プランでバッジを出せる商品数に上限があり、1本はルール数だけを数え、1本は無料プラン自体がありません。商品40点のストアはDECOとSamiの無料枠を即座に超えますが、Lablyの無料枠なら全商品をカバーできます——ただしラベルルールは1本だけです。
DECO Product Labels & Badges

出典: Shopify App Store(DECO Product Labels & Badges、2026-09-06時点)
開発はPieLab、Built for Shopify取得済み、上記時点で5.0/1,660件。有料プランはStarter $9、Growth $19、Unlimited $39で、いずれも3日間の無料トライアルと年払い15%割引($91.80/$193.80/$397.80)が付きます。
見落としやすいのは各有料プランの下にある**「Shopify Plus: +$20/month」**の一行です。Plusマーチャントの場合、Growthは$19ではなく$39になります。この倍増は概要の価格表示には現れず、プランカードの中にしか書かれていません。
無料プランは4ラベル/20商品に加えてバナーバーとトラストバッジが無制限。スケジュール設定、コレクション単位の表示、メタフィールドをラベル文言に使う機能はGrowth以上です。なおDECOはバッジアプリとしては説明のつきにくいスコープも要求しており、直近60日の注文履歴と割引コードの編集権限が含まれます。
TA AI Product Labels & Badges

出典: Shopify App Store(TA AI Product Labels & Badges、2026-09-06時点)
開発はTech Arms、Built for Shopify取得済み、4.9/1,308件。Basic $9、Pro $19、Platinum $29で、3日間トライアル、年払い20%割引です。
Plusの扱いはこのグループで最も厳しく、割増ではなく完全な別体系になっています。同じ3階層が**$29/$39/$49**です。Plusマーチャントの入口価格は非Plusの3.2倍になります。
さらに、多くの人が確認し忘れる3つ目の単位があります。AI生成クレジットで、Basicは月15、Proは45、Platinumは120です。AIラベル生成が導入理由なら、実際の制約はラベル数ではなくこのクレジット枠です。
導入前に読んでおきたい直近レビューが1件あります。米国のマーチャントが2026年7月19日に、トライアル後は日割り分だけ請求されるとサポートから説明を受けたのに「年額$86.40が満額請求された」と投稿し、「インストール前に契約条件を完全に理解してください」と結んでいます。データアクセスの範囲もこの5本で最も広く、顧客の氏名・メールアドレス・電話番号・住所に加えて、このグループでは唯一Online Store script tagsが含まれています。この点は後述します。
Sami AI Product Labels & Badge

出典: Shopify App Store(Sami AI Product Labels & Badge、2026-09-06時点)
開発はハノイ拠点のSamiSales by Samita、Built for Shopify取得済み、2026年9月6日時点のリスティング表示で4.9/1,224件。有料は2階層のみで、GOLDが$9.90/month(年$99)、DIAMONDが$14.90/month(年$149)。どちらも7日間トライアルで、これはLably、Flairと並んでこの5本で最長です。リスティングにShopify Plusの割増記載はありません。
階層の切り方が特徴的で、AI生成ラベル、多言語対応、バリエーション単位のラベル、在庫状況バッジがすべてDIAMOND側に寄せられています。無料は5ラベル/50商品、ラベルグループ1つです。
2026年7月27日のレビューが無料枠の境界を具体的に指摘しています。「(少なくとも無料版は)少し使いにくい……ツールチップを動かすにはアップグレードが必要で、無料版で使えないことがまったく明示されていなかった。切り分けに何時間も費やした」。無料前提で設計するより、有料プランを見込んでおくほうが現実的です。
Product Labels & Badges—Lably

出典: Shopify App Store(Product Labels & Badges—Lably、2026-09-06時点)
開発はトロント拠点のDevIT、Built for Shopify取得済み、2026年9月6日時点のリスティング表示で5.0/623件、1つ星レビューはゼロ。Basic $7.99、Grow $9.99、Plus $19.99で、7日間トライアル、年払い25%割引です。
最上位プランの名称が「Plus」である点に注意してください。これはプラン名であってShopify Plus向けの割増ではありません。Lablyのリスティングには、Plus固有の価格設定は一切記載されていません。
Lablyは構造的な例外です。課金対象が有効なラベルルール数とバッジルール数(別々にカウント)だけで、商品数は無料プランを含む全プランで明示的に無制限です。無料プランはラベルルール1本+バッジルール1本で、表示条件は無制限、対象は全カタログ。商品数が多くマーチャンダイジングのルールが少ないストアにとって、「ラベル数×商品数」型とは経済性がまったく異なります。データアクセスの範囲もこの5本で最も狭く、商品、テーマ(読み取り)、ファイル、在庫、タグ、ロケールのみ。顧客データも注文も割引も要求しません。
トレードオフは、リスティングの対応言語が18ではなく5であることと、AI生成機能を一切持たないことです。
Flair: Product Labels & Badges

出典: Shopify App Store(Flair: Product Labels & Badges、2026-09-06時点)
開発はノースカロライナ州Cary拠点のFlair Commerce、Built for Shopify取得済み、2026年9月6日時点で5.0/234件、2017年から掲載されています。Buzz $29、Boost $49、Grow $99で7日間トライアル。無料プランはなく、App Storeの表示は「From $29/month」です。
Flairはラベル数も商品数もルール数も数えません。課金の軸は条件の高度さで、BuzzはCore conditions、BoostはAdvanced conditionsとカウントダウンバナー・スケジュール・スタック、GrowはPremium conditionsとカート・バリエーション単位のプロモーションが加わります。ターゲティング対象として商品、バリエーション、コレクション、顧客、カート、マーケット、メタフィールドが挙げられていますが、条件の総数は公開されていません。特定の条件が導入理由なら、階層名から推測せずトライアルで確認してください。
なおこの5本で唯一、連携先にB2B & Marketsを明記しています。PlusやB2Bのストアが3倍の入口価格を受け入れる実務的な理由はここにあります。
データスコープは同じではない、そして10月1日が迫っている
Shopifyは2026年8月24日にOnline Store script tagsの廃止に関するチェンジログを公開し、2つの確定日を示しました。2026年10月1日にscriptTagCreateとscriptTagUpdateがユーザーエラーを返し始め、2027年3月1日にShopifyがストアフロントへのscript tag注入を完全に停止します。開発者向けの案内は明確で、script tagはtheme app extensionに含めるapp embed blockへ置き換えるよう求めています。
今回の5本のうち4本は、Edit Online Storeの下に読み取り専用の「Theme」を要求しており、これはtheme app extension方式と整合します。例外はTA AI Product Labels & Badgesで、データアクセスに「Online Store pages, theme, Online Store script tags」と記載されています。
これは何かが壊れる証拠ではありません。スコープが付与されていることと、実際にscript tagを使っていることは別ですし、同アプリはBuilt for Shopifyを取得しています。ただし年払いを契約する前にサポートへ確認できる、具体的で検証可能な論点ではあります。ストアフロントへの表示はapp embed block経由かscript tag経由か、2027年3月1日にバッジはどうなるのか。この2点を聞いてください。
あわせて、各アプリが何を読もうとしているかも比べてください。LablyとFlairは商品・テーマ・ファイルのみ。DECOは60日分の注文と割引の編集権限が加わります。SamiとTAは顧客データまで含みます。商品画像の上に四角形を描くことが仕事のアプリとしては、この幅は一度立ち止まる価値があります。
選び方
- Horizonテーマ、商品ごとに固定ラベル1つ、条件なし → 商品カード内のテキストブロックにメタフィールドを接続。アプリ不要。
- 商品数が少なく、ルールも1〜2本、予算重視 → Lablyの無料プラン。商品数に上限がないため。
- 商品数が多く、ルールは少ない → こちらもLably。ルール数課金のほうが安く収まります。
- 中規模カタログに多種類のバッジ、スケジュールも必要 → DECOのGrowth($19)、またはバリエーション単位・在庫バッジが目的ならSamiのDIAMOND($14.90)。
- Shopify Plus → DECOとTAはPlus価格で比較してください(中間階層はどちらも$39)。そのうえでFlairのBoost($49)を同じ土俵に載せ、入口価格だけで外さないこと。
- B2BやMarkets、複雑な条件 → Flair。7日間トライアルで必要な条件の有無を必ず確認します。
インストール前に
まずテーマを確認してください。Horizonのマーチャントには、Dawnのマーチャントにはないアプリ不要の選択肢があります。商品数とルール数は別々に数えてください。料金体系が分岐する軸がそこだからです。Plusなら、見出しの価格ではなくプランカードの中のPlus表記を探してください。データアクセスの欄も読んでください。そして2027年3月1日を踏まえ、ストアフロントでの表示方式をサポートに確認してください。
バッジ自体は、文字の入った四角形にすぎません。実際に購入しているのはその背後にあるルールエンジンで、各社はそのルールエンジンを、見た目以上に横並び比較を難しくする単位で値付けしています。
参考情報
- Shopifyヘルプセンター — テーマ設定
- Shopifyヘルプセンター — テーマのサポートとカスタマイズ
- shopify.dev — Theme blocks: dynamic sources
- shopify.dev — Theme app extensions
- shopify.dev changelog — Online Store script tags deprecation(2026年8月24日)
- Shopify/dawn テーマソース v16.0.0
- Shopify/horizon テーマソース v4.1.5
- DECO Product Labels & Badges、TA AI Product Labels & Badges、Sami AI Product Labels & Badge、Product Labels & Badges—Lably、Flair: Product Labels & BadgesのShopify App Storeリスティング(いずれも2026年9月6日取得)
Hextom: Free Shipping BarがShopify App Storeから姿を消しています。Shopify標準のアナウンスバーでできること・できないことを整理したうえで、2026年9月時点で実際に確認した後継5アプリの料金・機能・制約を比較しました。