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Shopify Plusでストアを運営していると、「チェックアウトはついにブロック単位で組めるようになったから、もうチェックアウトアプリは要らないのでは」という話を耳にするはずだ。Shopifyは実際に無料の純正アプリCheckout Blocksを提供しており、これはCheckout UI extensionsの上に直接構築され、コミュニティ製ツールではなくShopify自身がプラットフォームの一部として保守している。
わかりにくいのは、そのカバー範囲がどこで止まるかだ。Checkout Blocks自体は2022年公開で新機能ではないが、チェックアウトページ(Thank you/Order statusページとは別)での適用範囲はPlus限定であり機能も増えているため、「アプリはまだ必要か」は2026年時点で確認する価値がある。この記事では、Checkout Blocksが今ネイティブでカバーする範囲、まだできないこと、実在する3本のアプリがどこで価値を発揮しているかを整理する。非Plusストアが何をできるかは、このサイトの別記事が扱う異なるテーマだ。
結論の要約
- Checkout Blocksは、Shopify自身が開発する無料アプリ。 Basicプラン以上ではThank you/Order statusページのdynamic content・static contentブロックのみ。カスタムフィールド、注文金額の上限、住所ルール、カスタムディスカウント、チェックアウトページ自体へのブロック配置はShopify Plus限定だ。
- 制限されているのはアプリではなくチェックアウトページという「面」。 Shopify開発者ドキュメントは、information / shipping / paymentステップのcheckout UI extensionを「available only to stores on a Shopify Plus plan」としている。Thank you/Order statusページはどのプランでも開放済みだ。
- ネイティブブロックが担うのはコンテンツ・フィールド・ルール・単純なディスカウントで、post-purchase upsellのフローではない。 支払い方法へ再課金する「真のワンクリックpost-purchaseオファー」、AIによるオファーのパーソナライズ、A/Bテストは行わない。
- アプリが意味を持つのは、ワンクリックのpost-purchase upsell、AI支援のターゲティングや診断、パッケージ化されたノーコードUIの3点。 同じブロック配置場所には最大3つのextensionを重ねられるため、ネイティブと有料アプリは二者択一ではなく併用が前提になる。
Checkout Blocksとは実際どういうものか
Checkout Blocksは稼働中の無料アプリで、開発・サポートもShopify自身が行い、評価は現在4.2/5(212件)。2022年公開だが、2026年8月付けの最近のレビューでは、Shopifyが保守を引き継ぎ新しいブロックタイプを追加しているという声がある。
機能面ではCheckout UI extensionsの上に載るノーコードのレイヤーだ。追加する各ブロックは小さなextensionで、テーマのチェックアウトブランディングにも使うcheckout and accounts editorで配置する。公式ドキュメントによる線引きは以下の通り。
- Basicプラン以上: dynamic content/static contentブロックのみ。配置先はThank youページとOrder statusページに限定。
- Shopify Plus限定: カスタムフィールド(チェックボックス、テキスト入力、ギフトメッセージ)、住所フォーマットのブロッカー、行アイテムの編集・メッセージング、配送・支払い方法のアイコン、条件付きルール付きのカスタム注文・配送ディスカウント、支払い/配送方法の非表示・リネーム・並べ替え、そしてチェックアウトページ自体へのブロック配置。
各ブロックタイプは最大30個までアクティブにでき、1ページにつき最大10個の「block ID」プレースホルダーを定義できる。カート合計・顧客タグ・ログイン状態・商品タイプなどの表示ルールに応じて、同じ場所に異なるコンテンツを出し分けられる。裏側のディスカウント/バリデーションロジックはShopify Functionsで組める。
Plusマーチャントにとって今、本当にネイティブでできること
チェックアウトアプリの継続課金を見直したいPlusマーチャントにとって、Checkout Blocksとcheckout editorだけで、Plusの月額費用以外の追加コストなしに構築できるのは以下の範囲だ。
- 条件付き表示ルール付きの案内・販促バナー
- カスタムのチェックアウトフィールド(利用規約チェックボックス、ギフトメッセージなど)
- 注文金額の上限と住所バリデーション
- 独自ロジックのカスタム注文・配送ディスカウント
- 支払い・配送方法の並べ替え・リネーム・非表示
- 「Final sale」タグなど行アイテム単位のメッセージング
「ロゴと色を入れられるだけ」より明らかに広い。バナー・カスタムフィールド・基本的なディスカウントルールが主用途のPlusマーチャントなら、Checkout Blocksだけで代替できないか検証する価値がある。
ネイティブブロックが止まるところ
Checkout Blocksはstatic/block extension targetの上に構築され、コンテンツの表示と入力の収集が役割で、post-purchaseのオファーエンジンとして設計されたものではない。Plusであっても以下は守備範囲外だ。
- 真のワンクリックpost-purchase upsell。 支払い情報の再入力なしに同じ支払い方法へ追加課金する専用の購入フローは専門アプリが構築する別機能で、Checkout Blocks自体は提供しない。
- AI支援のオファーターゲティングやチェックアウト診断。 行動データに基づくアップセルの出し分けや離脱要因の自動診断は一部アプリ独自の機能だ。
- チェックアウトコンテンツのA/Bテスト(基本的な表示回数を超えるもの)。
- Klaviyo、ReChargeなどマーケティング・リテンションツールとの深い連携。
- 非エンジニアにも扱いやすい洗練されたビルド体験。 ガイド付きワークフローを求めるチームは専用アプリを好む傾向がある。
このギャップを埋める実在アプリ3本
Checkout Blocks自体は無料で、上述のネイティブ範囲をカバーする。以下は、Checkout Blocksが対応しない部分を専門に補う3本のアプリとの比較だ。
| アプリ | 得意なこと | 最低料金(USD) | Plus必須か |
|---|---|---|---|
| Shopify Checkout Blocks(ネイティブ) | コンテンツブロック、カスタムフィールド、ディスカウントルール | 無料 | チェックアウトページ配置のみPlus限定。Thank you/Order statusはBasic以上で可 |
| Checkout Plus | checkout upsell、ギフトメッセージ、トラストバッジ、ルールを1本に集約 | $29/月(チェックアウトページ対応プランは$49/月) | 上位プランはPlus必須 |
| Qikify Checkout Customizer | AIチェックアウト診断、カスタムフィールド、ブランド対応ブロック、B2Bチェックアウト | 無料(Plus/Sandbox/Dev限定)。$99/月でカスタムフィールドとupsellを解放 | アプリ全体がPlus/Sandbox/Dev限定 |
| AOV.ai Post Purchase Upsell | ワンクリックのpost-purchase、Thank you、Order status upsell | 無料(収益$200まで)、その後$4.99/月〜 | リスティング上でPlus必須の明記なし |
Checkout Plus
Plus Apps社のCheckout Plusは評価5.0(95件)、Built for Shopifyアプリでもある。checkout upsell、ギフトメッセージ、トラストバッジ、サーベイ、支払い/配送ルールを3段階に分ける。$29/月のBasicはThank you・Order status・post-purchaseページ(全プラン対応)、$49/月のPlusでチェックアウトページ自体が解放され、$89/月のAdvancedではcheckout upsellやギフト自動追加、checkout brandingが加わる。全プランに7日間の無料トライアルがある。チェックアウトページとpost-purchase upsellを1社にまとめたいPlusマーチャント向けの選択肢だ。
Qikify Checkout Customizer
Qikify Checkout Customizerは評価4.8(64件)。無料プランの提供対象自体が「Plus、Sandbox、Devストア限定」と明記され、非Plusマーチャントを最初から対象にしていない。無料プランは支払い/配送方法の並べ替え・非表示・リネーム、フルのチェックアウトスタイリング、バリデーションルールをカバーする。$99/月(年払い$950.40)のPremiumではカスタムフィールド、プロダクトオファー・アドオン、追加ウィジェットが加わる。Checkout Blocksに対する強みは、チェックアウトのパフォーマンスをスコアリングし改善案を示すAI診断機能で、Shopify純正アプリにはない層だ。
AOV.ai Post Purchase Upsell
AOV.ai Post Purchase Upsellは評価4.9(158件)。他の2本と異なりリスティング上でPlus要件を明記していない。post-purchase・Thank you・Order statusのupsellフロー――支払い情報の再入力なしのワンクリックオファーを商品・カート金額・顧客セグメント・配送先国でターゲティング――に的を絞る。これはCheckout Blocksが手を出していない面そのものだ。料金はupsell収益が最初の$200に達するまで無料、その後は月間注文数100件までなら$4.99/月から。プランを問わず、真のワンクリックpost-purchaseオファーが、現時点でネイティブブロックのギャップが最もはっきりしている領域だ。
何を残すかの判断
チェックアウトアプリの用途が主にチェックアウトページ上のコンテンツ・フィールド・基本的なディスカウントルールなら、更新前にCheckout Blocksだけで代替できないか検証する価値がある。無料でShopifyが保守しており、他と同じextensionモデルを使うため、複製したチェックアウト設定でまず試す分にはスイッチングリスクは小さい。
アプリの核となる価値がワンクリックのpost-purchase upsell、AIによるオファーターゲティング、チェックアウト診断機能であれば、それは依然としてCheckout Blocksの範囲外だ。そのまま残し、Checkout Blocksは課金対象になっていないバナーやフィールドを補うレイヤーとして重ねるのが現実的だろう。
Shopify Plusでない場合、上記のチェックアウトページ固有の機能はどのアプリを使っても利用できない。アプリの制限ではなくプラットフォーム側のゲートだからだ。
やってはいけないこと
Checkout Blocksの存在を知ったその週に、稼働中のチェックアウトアプリをアンインストールしないこと。まずドラフトのチェックアウト設定でネイティブブロックを試し、表示ルールが現在の挙動を再現できているか確認してから(block IDと優先順位のソートには慣れが必要だ)統合を判断すべきだ。また「Plusだから」だけでpost-purchase upsellまで手に入ると思い込まないこと。それはどのプランでもCheckout Blocksがカバーしない別のextension領域だ。
参考・出典
- Shopify: Checkout UI extensions overview
- Shopify: Targets for checkout UI extensions
- Shopify Help Center: Checkout Blocks app
- Shopify Help Center: Overview of blocks in Checkout Blocks
- Shopify Help Center: Using the checkout and accounts editor
- Shopify App Store: Checkout Blocks
- Shopify App Store: Checkout Plus
- Shopify App Store: Qikify Checkout Customizer
- Shopify App Store: AOV.ai Post Purchase Upsell
Shopify標準のlocal deliveryには配送業者ネットワークが一切なく、注文の状態は人がボタンを押して手動で更新するだけです。UberとShopifyが2025年12月10日に米国・カナダ・フランスでの提供開始として発表したUber Directは、この空白を埋める初のネイティブ機能ですが、Shopify Plus限定です。2026年7月10日付のレビューは「フランス以外では使えない」と書いています。NashとShipdayはPlusの壁なしに同じ配送業者ネットワーク(Uber、Roadie、DoorDash Drive)へアクセスでき、Shopify App Store上の「DoorDash」というリスティングは実は別物、マーケットプレイス型の販売チャネルであることも整理しました。調査日は2026年9月4日です。