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アプリ比較

Shopifyの利益レポートは「売れた時点で原価が入っていた商品」しか集計しない|後から入れても過去は戻らない

Shopifyの利益レポートは、多くの比較記事が言うほど貧弱ではありません。注文単位のレポートには送料も関税もすでに含まれています。本当の穴は3つで、売れた時点で原価が記録されていた商品しか集計されないこと、Cost per itemが履歴を持たない単一の静的な数値であること、そして手数料が粗利とは別のレポートに置かれていることです。TrueProfit、Juicy Profit Analytics、Profit Calc、BeProfitが何を足し、同じ注文数で月額49ドルから249ドルまで開く理由を、2026年9月5日時点の一次情報で整理します。

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この記事でわかること

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Shopifyの利益管理についての記事は、たいてい同じ書き出しから始まります。Shopifyは広告費を差し引かないので本当の利益が分からない、と。事実ではありますが、標準の利益レポートが抱える問題としては、いちばん退屈な部類です。

高くつくのは、もっと静かな方の問題です。Shopifyは売れた時点で原価が記録されていた商品しか、利益レポートに集計しません。1月に開店し、6月にCost per itemを入力し、9月に年初来のマージンレポートを開いたとすると、最初の5か月は「間違っている」のではなく、売上レポートと食い違う純売上の数字とともに、黙って存在しない扱いになります。この過去は、どのアプリを入れても復元できません。Shopify側にそもそも保存されていないからです。

本記事では、Shopify標準の利益レポートが実際に何をしているのか、有料アプリを正当化する3つのギャップ、そしてTrueProfit、Juicy Profit Analytics、Profit Calc、BeProfitがその差にどう値段を付けているのかを整理します。

Shopify標準でできること

比較記事が認めているより、かなり広い範囲です。

商品またはバリエーションにcost per itemを記録すると、管理画面のAnalytics → Reportsで、カテゴリーProfit Marginの標準レポートが5本使えるようになります。

  • Gross profit by product:net quantity、net sales、cost、gross margin、gross profit
  • Gross profit by product variant:同じ列をSKU単位で
  • Gross profit by POS location
  • Profit margin by order
  • Average profit margin by market

このうち後半2本は、評判より優秀です。ShopifyヘルプセンターはProfit margin by orderAverage profit margin by marketの両方について、「顧客に請求した商品代金・送料・関税・輸入税に加えて、ストアが支払った商品原価・送料・関税・輸入税」を対象に含むと説明しています。送料は入っています。関税も入っています。「Shopifyの利益レポートは送料を無視する」という広く流通した説明は、商品単位のgross profitレポートには当てはまりますが、注文単位のレポートには当てはまりません。

Finances summaryレポートにもGross profitの行があり、Sidekickに直接尋ねることもできます。ヘルプセンターはShow gross profit by product variant for the last 90 daysというプロンプト例を挙げており、Sidekickは商品別・バリエーション別・POSロケーション別のgross profitを答えられる一方、marketでグループ化した利益は答えられないと明記しています。

スプレッドシート運用が取りこぼしがちな点もShopify側で処理されています。商品詳細ページに出るマージンは定価ベース、レポートのGross marginは純売上ベースなので、期間内の割引と返金が反映されます。原価10ドルの20ドルのTシャツは、商品ページでは50%、15ドルに値引きした期間のレポートでは33%になります。

判定:単一通貨で、単一の仕入原価で、どのSKUに粗利があるかを知りたいだけなら、標準レポートで足ります。アプリに払うのは、次の3点です。

ギャップ1:原価は「売れた瞬間」にしか捕まらない

マーチャントが1年分の履歴を失うのが、この項目です。

Shopifyのドキュメントは明確です。「Profit is reported only for products and variants that had cost recorded at the time they were sold.」ヘルプセンターは、その帰結を商品レポートとバリエーションレポートの2箇所で繰り返しています。注文が抜けて見えるならそのバリエーションに原価情報がなかったのであり、「売上レポートと利益レポートの純売上の数字に食い違いが生じる」と。

今日Cost per itemを入れれば、明日は直ります。昨日は直りません。しかも同じルールがFinances summaryにも及びます。原価が記録された純売上だけがGross profitに算入されるため、COGSの入力が途中までのストアでは、精緻に見えて実際には何割をカバーしているか分からないGross profitの数字が出ます。

今日インストールしたアプリも、過去注文については同じ制約を引き継ぎます。アプリ自身のデータベース側で遡って原価を割り当てられる場合を除いて、です。ここはアプリごとに差があるところで、1年分の「ヒストリカル分析」に金を払う前に確認する価値があります。

ギャップ2:Cost per itemは履歴のない単一の数値

ShopifyはCost per itemを、メーカーに支払った価格であり「excluding taxes, shipping, or other costs」と定義しています。輸送費、関税、検品、入庫作業は定義上この欄の外です。輸入しているなら、記録されている原価は着地原価ではありません。

バージョン履歴もありません。Shopify自身がこう書いています。「The Cost per item field contains static data, which means that the data in your profit reports is only relevant to a specific point in time.」そのうえで示している対処法は、ERPまたは会計システムを使う、App Storeのレポーティングアプリを使う、手計算する、の3つです。さらにバリエーションがある商品では、原価を持たせるためにバリエーションを1つずつ編集する必要があります。

つまり、今年3回仕入価格が動いたストアは、Shopify上に1つの数値を、現実には3つの数値を持っていることになります。

ギャップ3:手数料はマージンとは別のレポートにある

カード決済コストはShopifyから消えているわけではなく、別の場所にあります。Shopify Paymentsの手数料はShopify Payments activity reportとpayout reconciliation reportに出ますが、Profit Marginレポートには出ません。広告費、アプリのサブスクリプション、人件費、ソフトウェア代は、管理画面のどこにもありません。

標準機能だけで月次の純利益を出すということは、3箇所からエクスポートして手で突き合わせるということです。この突き合わせを毎晩自動で回すことが、ここで取り上げる4本のアプリが実際に売っている中身です。

4本のアプリと、それぞれの課金対象

以下の料金はすべて、2026年9月5日に英語(US)のShopify App Storeリスティングで確認したものです。課金はいずれもUSD建てです。

TP: True Profit AnalyticsJuicy Profit AnalyticsProfit Calc: Profit CalculatorBeProfit ‑ Profit Analytics
Built for Shopifyなしありなしなし
無料プランなしあり(月50注文)なしなし
無料トライアル14日14日15日14日
最低料金$35/month$29/month$39/month$49/month
最低料金での注文数300500500450
掲載上の最上位$200/month$49/month$249/month$249/month
上限超過時1注文$0.30〜$0.07の従量、上限$300〜$1,000500注文超は一律$49リスティングに記載なしリスティングに記載なし
年払い割引リスティングに記載なしリスティングに記載なし17%20%
プランで機能が変わるか変わる(P&Lは$60、Marketing Attributionは$200から)変わらない(無料プラン含め全機能)変わらない変わる(P&Lは$99、LTVコホートは$149、APIは$249から)
評価(レビュー件数)5.0(897)4.9(63)5.0(61)4.5(202)

いちばん効いてくるのは下から2行目です。この4本は、注文数だけを売る2本と、注文数機能を売る2本に割れます。TrueProfitでは、そもそも広告費込みの利益を見たかった動機そのものであるMarketing Attributionが、$200のEnterpriseプランにあります。BeProfitではP&Lレポートが$99からです。JuicyとProfit Calcは、どの価格帯でも同じ機能セットを出し、処理量だけに課金します。

同じストア、2つの規模、4つの請求額

単一ストアの米国ブランドを想定し、各リスティング上でその注文数をカバーする最安プランを当てはめます。

月400注文の場合

アプリプラン月額
Juicy Profit AnalyticsStarter$29
Profit CalcStarter$39
BeProfitBasic$49
TrueProfitAdvanced(600注文)$60

TrueProfitのBasicは$35で300注文まで。超過100注文を1件$0.30で足すと$30なので合計$65になり、$60のAdvancedに上げたほうが安くなります。この逆転はアプリ側で警告されません。

月2,000注文の場合

アプリプラン月額
Juicy Profit AnalyticsAdvanced$49
Profit CalcPro(3,000注文)$149
TrueProfitUltimate+超過500注文$150
BeProfitPlus(注文数無制限)$249

同じ仕事、同じストアで5倍の開きです。Juicyの掲載上の最上位が「月500注文超は一律$49」である点は、このカテゴリーで最も影響の大きい価格差であり、開発元に馴染みがなくてもリスティングを見る価値がある理由です。

はっきり書いておくべき留保が1つあります。Profit CalcとBeProfitのリスティングには、プランの注文数上限を超えたときの挙動が書かれていません。上のBeProfitの数字は「上限をカバーするプランへ上げる必要がある」という前提です。予算を組む前にベンダーへ確認してください。またProfit Calcのリスティングは、$249のUnlimitedプランに「$1,490/year and save 50%」と表示しており、これは$149のProプランの年額と同一です。オファーというよりリスティング側の誤りに見えます。

4本を個別に見る

TP: True Profit Analytics

TP: True Profit AnalyticsのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(TP: True Profit Analytics、2026-09-05時点)

このグループでは大きく抜けたレビュー基盤を持ち、897件で5.0。2番目に多いアプリの4倍以上です。2019年7月ローンチ、開発元はホーチミン市のFIREAPPS JSCです。リスティングにはCOGS、送料、取引手数料、税、カスタムコストの自動追跡と、Facebook、Google、TikTok、Bing、Snapchat、Amazon、Pinterest、Xからの広告費同期が記載されています。最低プランから数量ベースのCOGS、重量ベースの送料、複数ストアの統合ビュー、iOS/Androidアプリ、そしてChatGPTやClaudeから利益データを問い合わせるMCPエンドポイントを備えます。

構造的な弱点はプラン分割です。Product AnalyticsとP&Lレポートは$60から、Unlimited COGS Zonesは$100から、Marketing Attributionは$200からです。月400注文でキャンペーン別の利益が見たいストアは、いきなりEnterpriseを検討することになります。

Juicy Profit Analytics

Juicy Profit AnalyticsのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(Juicy Profit Analytics、2026-09-05時点)

この比較で唯一のBuilt for Shopify取得アプリ。スウェーデンのEasyappsが2025年4月にローンチしました。リスティングは「Preserve historical profit data」を、無料プランを含む全プランの機能として挙げています。仕入価格を変更しても前四半期のマージンが書き換わらないという意味で、ギャップ2への直接の回答です。ほかにキャリア・国・重量・数量ベースの送料ルール、UTM単位の広告アトリビューション、複数ストア集計、Claude向けMCP接続があります。

対して天秤にかけるべき点が2つ。レビュー基盤は63件で、傾向は掴めても代表性はありません。またリスティングのdata accessにweb pixelsとOnline Storeのテーマ・チェックアウトページが含まれており、純粋なバックオフィス集計アプリに必要な範囲より広めです。ピクセル単位の収集が気になるなら、プライバシーポリシーを読んでください。

Profit Calc: Profit Calculator

Profit Calc: Profit CalculatorのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(Profit Calc: Profit Calculator、2026-09-05時点)

ハリファックス拠点、2019年12月ローンチ、61件で5.0、そしてこの中で最長の15日トライアル。差別化点はダッシュボードよりも原価の精度側にあります。国別・数量別に加えて日付別のCOGSルール、そしてリアルタイムと過去のFX換算です。日付スコープのCOGSは、Shopifyの静的なCost per itemを埋める手段としてこのグループで最も近いところにあり、仕入通貨と販売通貨が異なるなら過去FXが効いてきます。仕入・出荷側の連携が具体的なのも特徴で、AliExpress、CJ Dropshipping、Printful、Printify、Gelato、ShipHero、ShipBob、Shippoが並びます。ドロップシッピングとPODに寄った設計です。

リスティングに表示される直近3件のレビューはいずれもサポートの応答性に触れており、2026年9月1日には米国のマーチャントが、依頼から数時間でGelato連携が作られたと書いています。ただしこれは1件の事例であり、SLAではありません。

BeProfit ‑ Profit Analytics

BeProfit ‑ Profit AnalyticsのShopify App Storeリスティングページ上部

出典: Shopify App Store(BeProfit ‑ Profit Analytics、2026-09-05時点)

4本で唯一、開発元の所在地に米国を掲げるアプリ(フロリダ州Coral Springs、2020年9月ローンチ)で、App Storeの機能タグにBenchmarkingとForecastingを持つのもこの1本だけです。ほかにPOAS、価格・利益シミュレーターがリスティングに並びます。マルチチャネル寄りでもあり、Amazon連携が記載され、$249のPlusプランはショップ数・プラットフォーム数無制限とAPIアクセスを含みます。

一方で入口が最も高く、$49で450注文・1ショップ。評価もこの中では最も低い202件で4.5、1つ星が6%です。少なくともそのうち1件は製品ではなく請求に関するもので、2026年4月22日、米国のマーチャントが、2023年に誰かがインストールしたアプリが一度も使われないまま年$720請求され続けていた、と書いています。まさに利益分析アプリが可視化するためにあるはずの、定期コストの典型例です。

標準レポートで足りるケース

以下がすべて当てはまるなら、アプリは不要です。

  • 販売開始前にCost per itemを入れていた、または原価未入力期間の履歴は諦めている
  • 仕入原価が安定している、または昨年のマージンに昨年の原価を反映させる必要がない
  • 国内仕入なので、記録原価と着地原価が十分に近い
  • 有料広告の規模が小さく、粗利と純利益が同じ方向に動く
  • 月1回、Shopify Payments activity reportから手数料を突き合わせる人がいる

2つ以上当てはまらないなら、その突き合わせ作業のコストは、ここで挙げたどのアプリの入口価格($29〜$49)も上回ります。

インストール前に確認すること

  1. 現在の利益レポートが何を除外しているかを測る。 Gross profit by productを実行し、同じ期間のSalesレポートと純売上を突き合わせる。その差が原価未記録の売上です。
  2. 過去注文にCOGSを遡って割り当てられるか、どこまで遡ってインポートするかをアプリ側に確認する。今日からの分析か、開店時からの分析かの分かれ目です。
  3. 今月ではなく今後12か月で見積もる。 注文数バンド課金では、300注文の時点で選んだアプリが2,000注文で最も高くなりえます。
  4. 超過時の挙動を文書で確認する。 Profit CalcとBeProfitはリスティングに記載がありません。
  5. 稼働後、そのアプリ自身のサブスクリプションを定期コストに登録する。 他と同じ営業費用であり、それが差し引かれた姿を見られるのはこの種のツールだけです。

参考・出典

料金、評価、レビュー件数はいずれも2026年9月5日に英語(US)のApp Storeリスティングで確認したもので、予告なく変わります。

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