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アプリ比較

ShopifyのQuick countはPOS Pro必須、1セッション1,000 variantsが上限:棚卸しアプリ6本を比較

Stockyは2026年8月31日にサービスを終了したが、米国の検索結果は今もStockyを勧め続けている。Shopifyの後継は2025年10月23日に追加されたQuick count POS UI extensionで、Shopify POSアプリから端末カメラ、ペアリング済みバーコードスキャナー、手入力で実在庫数を更新できる。判断を分ける制限は2つ。第一に、Quick countは1ロケーションあたり月額$89 USDのPOS Proの機能であり、その要件はShopifyのPOSマーケティングページにしか書かれていない。手順を解説する3本のヘルプセンターページはPOS Proに触れず、Manage inventory (excluding transfers)権限だけを挙げている。第二に、1セッションの上限は1,000 variantsで、5,000 variantsのカタログには5セッションが必要になる。しかも単位は一次情報で割れており、changelogはproducts、ヘルプセンター2ページはvariants、Stocky移行ページはitemsと書く。ShopifyはQuick countを特定商品やゾーンのスポットチェック用と定義し、厳格な外部監査要件があるならサードパーティの在庫アプリを検討せよと明記している。本記事はコストを実際に左右する課金分母(ロケーション数、機能ティア+ユーザーシート数、チームメンバー数の3通り)で棚卸しアプリ6本を比較する。10ロケーションではPOS Proが月額$890、10ロケーション対応プランを公開しているアプリはいずれも月額$104以下だが、両者は同じ買い物ではない。料金と評価は2026年9月3日に確認した。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 12#アプリ比較

この記事でわかること

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本記事は米国市場のShopifyストアを対象に、英語の一次情報をもとに調査しました。料金はすべてUSD表記のままです。

Stockyはもう存在しない。Shopifyは2026年2月2日にリスティングを取り下げ、2026年8月31日にサービスを停止した。いまだStockyを勧める米国の検索結果はすべて誤りだ。それらが前提にしていた「Shopifyに棚卸し機能はない」という主張も、2025年10月23日のQuick count POS UI extension出荷で成立しなくなった。

Shopifyが標準で数えられること

Quick countはShopify POSアプリ内で動き、端末カメラ、ペアリング済みバーコードスキャナー、数量の手入力の3通りでカウントする。必要な権限はManage inventory (excluding transfers)で、これはログイン中のユーザーに適用され、PINを入力してカウントするスタッフには適用されない。複数のPOS端末で同一ロケーションを同時にカウントでき、submit済みセッションは管理画面へ即時同期される。

標準機能が行き詰まるところ

Quick countはPOS Proの機能で、POS Proは1ロケーションあたり月額$89 USD、年払いでの請求だ。問題はその要件の在り処にある。POS featuresページとPOS pricingページ、つまりマーケティングページにしか書かれていない。手順を教える3本のヘルプセンターページが挙げるのはManage inventory権限だけだ。オンライン専業やPOSハードウェアのない倉庫運用では、標準のカウントワークフローがそもそも存在しないことになる。

セッション上限も効く。ヘルプセンターは1回のセッションで調整できるのは最大1,000 variantsまでと書き、別のヘルプセンターページも同じ数字をvariantsとする。一方でchangelogは"1,000 products"、Stocky移行ページは"1,000 items"だ。一次情報が3本、単位が3通りある。手順ページ2本が一致し、Shopifyは在庫をvariant単位で管理しているのだから、variantsが正しいと考えるべきだろう。5,000 variantsのカタログなら5セッションが要る。

そしてShopify自身が、これを全店棚卸しに使うなと書いている。Stocky移行ページはQuick countを特定の商品やゾーンの素早いスポットチェック用と定義し、全店棚卸しはCSVを使う手作業へ誘導したうえで、こう続ける。"If you have strict external audit requirements, then a third-party inventory app can provide dedicated counting and approval workflows."(厳格な外部監査要件があるなら、サードパーティの在庫アプリが専用のカウントと承認のワークフローを提供できる)。差異レビューのゲートはなく、商品ページの調整履歴も直近180日分しか表示されない。

比較表

判断を分けるのは表示価格ではなく、どこで動くか、課金の分母は何か、第三者の証拠がどれだけあるかだ。

Quick count(標準)EasyScan Inventory & BarcodeCohub Inventory CountingBR Stock Take: Inventory CountTwist: Stock TakePasilobus Stock ControlStocktake ‑ Inventory Audits
POS Proが必要はいいいえいいえいいえいいえいいえいいえ
動作環境POSアプリのみPOS / 管理画面 / モバイルブラウザとモバイルブラウザ / モバイル / POSPOS / 管理画面デスクトップ / POS / モバイル管理画面のみ
課金の分母ロケーション数機能ティア+シート数ロケーション数ロケーション数、商品数、デバイス数ロケーション数ロケーション数チームメンバー数
価格(USD/月)$89(1ロケーション)$9.99〜$129.99$19〜$99+1ロケーションごとに$5$0〜$25$10〜$20$7.99〜$49.99$5〜$20
評価(レビュー件数)5.0(342)3.6(27)3.1(26)4.6(5)0.0(0)5.0(1)

料金と評価は2026年9月3日に確認した。すべての料金はUSDで請求される。

EasyScan Inventory & Barcode

EasyScan Inventory & BarcodeのApp Storeリスティング上部。Built for Shopifyバッジと料金が並ぶ

出典: Shopify App Store(EasyScan Inventory & Barcode、2026-09-03時点)

506が2020年1月24日に公開。6本で唯一Built for Shopifyバッジを持ち、唯一まとまったレビュー数(5.0、342件)を持つ。課金分母はロケーション数ではなく機能とユーザーシート数で、Basic $9.99、Standard $39.99、Advanced $79.99(6 User Accounts)、Pro $129.99(ユーザーアカウント無制限)。12店舗のチェーンでも1店舗と同額だ。ただし棚卸しがどのプランで解放されるかは明記がなく、顧客の氏名や住所、注文の編集まで含む6本中最も広いデータアクセスを要求する。

Cohub Inventory Counting

Cohub Inventory CountingのApp Storeリスティング上部。アプリ名、評価3.6、月額$19からの表示

出典: Shopify App Store(Cohub Inventory Counting、2026-09-03時点)

ナッシュビルのCohub LLCが2020年2月18日から提供、評価3.6(27件)。差別化点はQuick countの弱点を突く。カウント中の販売や出荷で生じた途中の調整をレビューできるのだ。Basic $19(最大4ロケーション)、Professional $29(5)、Advanced $59(8)、Plus $99(9+追加1ロケーションごとに$5)。オランダのレビュアーはSKUでスキャンできず連続スキャンも不可と報告し、開発者はバッチモードとSKU検索の存在を公開の場で反論している。

BR Stock Take: Inventory Count

BR Stock Take: Inventory CountのApp Storeリスティング上部。無料プランありと評価3.1の表示

出典: Shopify App Store(BR Stock Take: Inventory Count、2026-09-03時点)

インドのBR Data Solutionsが2020年8月4日に公開、評価3.1(26件)でうち9件が1つ星か2つ星。全店棚卸しの挙動を明示する唯一のアプリだ。"let the app correct stock errors and zero out anything not counted."(在庫の誤差を修正し、カウントされなかったものをすべてゼロにする)。ブラウザ、Shopifyモバイル、POSで動くのでPOS Proは不要。Starterは無料で1ロケーション・1回の棚卸しにつき50 products/variants、Standardは$15で10ロケーション、Enterpriseは$25で200ロケーション。3年以上使う米国のマーチャントの不満に対し、開発者は5ロケーション上限の旧$10プランのままだったと返信した。ロケーション課金型のプラン据え置きリスクである。

Twist: Stock Take

Twist: Stock TakeのApp Storeリスティング上部。開発元TWISTED TREEと評価4.6の表示

出典: Shopify App Store(Twist: Stock Take、2026-09-03時点)

TWISTED TREE (PTY) LTDが2025年7月3日に公開、評価4.6(5件)は一般化するには少なすぎる。タグ、メタフィールド、商品タイプ、販売元で循環棚卸しを絞り込め、メタフィールドで絞れるのは6本中これだけ。Standardが$10で最大2ロケーション、Bulkが$20で最大4だ。

重要なのは設計上の制約である。米国のマーチャントがゾーン別に分割したところ、両ゾーンに出てくる商品で後のカウントが先を上書きし、1日分の作業を失った。開発者は公開の返信で認めている。"always set the product quantities to what was counted and never accumulate between separate stock takes"(常に商品数量をカウントされた値に設定し、別々の棚卸し間で加算されない)。ゾーン分割は1,000 variants上限に対する標準的な回避策であり、「設定のみ」のアプリでは2つのゾーンに在庫があるSKUが罠になる。

Pasilobus Stock Control

Pasilobus Stock ControlのApp Storeリスティング上部。月額$7.99からとレビュー0件の表示

出典: Shopify App Store(Pasilobus Stock Control、2026-09-03時点)

正式名称はPasilobus Stock Controlで、いまも流通する古いStock Takeという表記ではない。シアトル拠点、2024年9月20日公開。Basic $7.99(1ロケーション)、Grow $19.99(3)、Advanced $34.99(15)、Enterprise $49.99(30)。理由とユーザー付きで全変更を追跡する監査証跡を明記し、スクリーンショットのキャプションにAdd to StockとReplace Stockの両モードを示す。加算モードの存在こそがゾーン分割カウントを安全にする条件だ。ただしレビューはゼロ件で、第三者の検証がない。

Stocktake ‑ Inventory Audits

Stocktake ‑ Inventory AuditsのApp Storeリスティング上部。開発元Runelight Venturesと月額$5からの表示

出典: Shopify App Store(Stocktake ‑ Inventory Audits、2026-09-03時点)

ユタ州リーハイのRunelight Venturesが2026年4月28日に公開。6本で最も新しく、評価5.0だがレビューは1件のみ。年次の棚卸しを乗り切らせるのではなく不要にする設計で、あらかじめ決めた数量の商品をランダムに選び、小規模な日次の監査セッションを作る。shrinkage(棚卸減耗)のレポートを名指しするのも6本中これだけだ。課金はチームメンバー数のみで、Starter $5(最大5名)、Growth $10(最大10名)、Unlimited $20。ただしShopify管理画面でのみ動作しPOS連携の記載がなく、バーコードスキャンも記述がない(非対応ではなく未確認だ)。

1、3、10ロケーションでのコスト

ロケーション数Quick count(POS Pro)EasyScanCohubBR Stock TakeTwistPasilobusStocktake ‑ Audits
1$89$39.99$19$0(無料)または$15$10$7.99$5
3$267$39.99$19$15$20$19.99$5
10$890$39.99$104$15提供なし$34.99$5〜$20

EasyScanは、正確なプランの明記がないためカウントを含むと読めるStandardで計算した。ただしPOS Proと棚卸しアプリは同じ買い物ではない。 $89にはPOSスタッフ数の無制限、スタッフの役割と権限、顧客プロフィール、返品と交換、リテール向けレポート、オムニチャネル販売も含まれる。

状況別の選び方

  • すでにPOS Proがある。 カタログが1セッション1,000 variantsに収まり、承認ワークフローを求める監査人もいないなら、Quick countの追加費用は$0だ。
  • オンライン専業、または倉庫のみ。 POSハードウェアなしで標準機能は解放されない。BR Stock TakeとStocktake ‑ Inventory AuditsはPOSなしで動き、無料で評価できるのは前者だけだが50件の上限がある。
  • ゾーン単位で数える、または未カウント分のゼロ化が必要。 Pasilobus Stock ControlはAdd to Stockモードを示し、Twistは常に「設定」する挙動だと開発者が認めている。ゼロ化を書面で明示するのはBR Stock Takeだけだ。
  • 多ロケーションかつ予算が厳しい。 EasyScan Inventory & BarcodeとStocktake ‑ Inventory Auditsはロケーション数を課金要素に含めない。

なお6本とも、アンインストール後のカウント履歴の扱いもサポート対応時間も公開していない。監査証跡を預ける前に問い合わせるべきだ。

結論

すでにPOS Proを払っていてセッションが1,000 variantsに収まるなら、Quick countが答えで追加費用はかからない。だがPOS Proがない、複数セッションや複数ゾーンでのカウントを強いるカタログを抱えている、承認ワークフローを求める監査人がいる、のいずれかが成立した瞬間に標準の経路は十分でなくなる。必要になるアプリの費用は、1ロケーションあたり$89ではなく月額$5〜$40である。

参考・出典

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