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アプリ比較

Shopifyに部品表(BOM)はない|原材料在庫を扱う4アプリの課金単位がまったく違う件

Shopifyが管理するのは完成品の在庫だけです。生地も、フレグランスオイルも、封筒も追跡しません。標準機能で最も近いのは無料のShopify Bundlesですが、公式ドキュメントは限界を明記しています。バンドルの中にバンドルは入れられず、インポート・エクスポート・一括編集に対応せず、コンポーネントのSKUを変更すると「バンドルを削除して作り直す」必要があります。Shopify自身のヘルプページが、詳細なコンポーネント管理にはサードパーティアプリを使うよう案内しています。2026年9月6日時点で確認した4アプリは、課金単位がまったく違います。Material Managerは月間注文数だけ(2,000件で$19.99)、Materials Inventoryは原材料数×注文数×ロケーション($39から)、Craftybaseはorder lines課金で3点購入の1注文が3カウント($24から)、Katana Cloud Inventoryは30 SKUの無料プランの次が$299/月+ボリューム+アドオンです。月2,000件のストアで、同じ目的に$29.99と$299の差が出ます。

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この記事でわかること

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仕入れたものをそのまま売るだけなら、Shopifyの在庫管理で困ることはありません。仕入れたものを別のものに作り変えて売る場合、Shopifyは途中で何が起きたのかをまったく把握していません。

部品表(bill of materials)を入れるフィールドはありません。原材料というオブジェクトも存在しません。40 SKUのキャンドルと12種類のフレグランスオイルを扱うメーカーが手にするのは、40個の在庫数と、オイルについてのゼロの情報です。オイルは商品ではないので、Shopifyから見れば存在していません。

ただし、多くの人が思っているより近いところまで届く標準機能が1つだけあります。しかも無料です。そして、どこで使えなくなるかがドキュメントに明記されています。

Shopifyが実際にやっていること:バンドル在庫は「保存」されず「計算」される

Shopifyのproduct bundlesのドキュメントは、意外な一文から始まります。「To create product bundles on your store, you must have a bundles app installed on your Shopify store.」バンドルは管理画面のチェックボックスではありません。アプリ経由で提供される機能で、Shopify自身がそのアプリを1つ出しています。

Shopify Bundlesは無料のファーストパーティアプリで、全Shopifyプランで利用でき、既存商品からfixed bundleとmultipackを作れます。面白いのは在庫の数え方です。

バンドルの在庫数は入力するものではありません。コンポーネントから計算されます。Shopifyのeligibility and considerationsのページに計算式が書かれています。バンドル内の各商品について、その商品の利用可能在庫をバンドルが必要とする数量で割り、最も小さい値を切り捨てる、というものです。公式の例では、椅子2脚とデスク1台のバンドルで椅子が15、デスクが8ある場合、15÷2=7.5→7、8÷1=8となり、バンドルの在庫は7と表示されます。

コンポーネント単位の在庫引き当てが、リアルタイムで、0円で動きます。すでに販売している3商品を詰め合わせたギフトセットなら、本当にこれで十分です。

ただし、この計算には注意点が1つあります。コンポーネントの在庫は、その商品の在庫追跡がオフの場合、またはContinue selling when out of stockが有効な場合、計算から完全に除外されます。つまり、数週間前に切れているコンポーネントを抱えたまま、バンドルが売れ続けることがあります。

どこから部品表ではなくなるのか

以下はすべて、Shopify公式のShopify Bundles limitationsとeligibilityページの記載です。

コンポーネントは商品でなければならない。 このモデルは「商品でできた商品」です。フレグランスオイル15mlは在庫数を持つ商品ではないので、コンポーネントにできません。バンドルをBOMとして使うには、すべての原材料を販売可能な商品としてカタログに登録し、そのうえでコレクションや検索、フィードから除外し続ける必要があります。

バンドルの中にバンドルは入れられない。 この一文がサブアセンブリを不可能にします。ワックスとオイルから作ったブランクを、さらにキャンドルに仕上げる工程は、この仕組みでは表現できません。

インポート・エクスポート・一括編集に対応していない。 10個なら面倒で済みますが、300個なら選択肢から外れます。

コンポーネントのSKUを変えると作り直しになる。 公式の表現は「you need to delete and recreate the entire bundle」です。

ロケーション別の在庫を追跡しない。 全体在庫のみです。組み立てる倉庫と材料を置く倉庫が別なら、バンドルの数字はその差を知りません。

purchase optionsと非互換。 subscriptions、pre-orders、try-before-you-buy、そしてShopify Subscriptionsアプリと併用できません。サブスクボックス系の構成はここで詰みます。

上限も明記されています。 fixed bundlesはコンポーネント30まで、dynamic bundlesは150まで、1コンポーネントあたり2,000ユニットまで、1バンドルあたりオプション3つ・バリエーション100までです。さらにストアがupgraded checkoutである必要があり、checkout.liquidのカスタマイズが残っているストアは対象外です。対象外になった場合、既存のfixed bundlesはDraftに変更され、公開が解除されます。

販売チャネルについては、公式ドキュメント内に食い違いがあるので触れておきます。概要ページはOnline Store、Shop、Shopify POS、そしてfixed bundlesに限りGoogle & YouTubeで販売できると書いています。一方、Shopify Bundlesのlimitationsページは「Online StoreまたはHeadless storefrontsを使う必要があり、他の販売チャネルはサポートされない」と書いています。どちらも現行のShopifyドキュメントです。チャネル前提で設計する前に、自分のストアで確認してください。

Shopify自身もごまかしてはいません。非互換リストにこう書かれています。詳細なコンポーネント管理には、metafieldsにコンポーネントのSKUを保存するか、「use third-party apps for inventory management」と。

4つのアプリ、4つのまったく違う課金単位

マーチャントが払いすぎるのはここです。4アプリはおおむね同じ仕事をします。材料と商品を紐づけ、販売時に引き当て、発注する。それなのに、課金の単位が4つとも無関係です。表示価格より単位のほうが重要です。

以下の数値はすべて、各アプリのShopify App Storeリスティング(2026年9月6日確認)に基づきます。すべてUSD建てです。

Material Manager — 月間注文数だけで課金する

Material Manager(開発: Omatic)は、2026年9月6日時点で4アプリ中ただ1つBuilt for Shopifyバッジが表示されていたアプリです。評価は19件で4.2(星5が15件、星1が3件)。公開日は2023年12月14日。

無料プランから上は、変わるダイヤルが1つしかありません。

  • Free — 原材料3件まで、1原材料あたりバリエーション5件まで、ロケーション無制限、月間注文100件まで
  • Standard $19.99/month — 原材料無制限、ロケーション無制限、バリエーション無制限、低在庫通知、月間注文2,000件まで
  • Advanced $29.99/month — 同上、月間注文7,500件まで
  • Professional $49.99/month — 同上、月間注文15,000件まで

$19.99で原材料無制限というのは、この4アプリの中では明確に外れ値です。原材料400件で月300件売るメーカーと、原材料12件のメーカーが同じ金額になります。リスティングには、原材料・BOM在庫のバリアントへのリアルタイム同期、発注書の生成、フォーキャスト、CSVインポート/エクスポートが挙げられ、「Works with」にはCheckoutとShopify Adminが記載されています。有料プランには7日間の無料トライアルがあります。

Materials Inventory — 原材料数と注文数とロケーション数の3つで課金する

Materials Inventoryは49件のレビューで評価5.0、うち48件が星5、星3以下は0件です。公開日は2021年1月19日、開発元はパリ。

プランは3つで、1段上がるごとに複数の上限が同時に動きます。

  • Hobby $39/month — Product Bundles、原材料500件、月間注文500件、Shopify在庫の更新
  • Business $89/month — Componentsが追加、原材料1,500件、月間注文2,000件、Dynamic Inventory Alerts、Custom Products
  • Business Pro $189/month — 6 Inventory Locations、原材料2,500件、月間注文5,000件

無料トライアルは7日間です。注意したいのは$89の壁の位置です。「Components」はHobbyではなくBusinessの機能で、マルチロケーションは$189まで出てきません。倉庫が2つあるなら、このアプリの入口価格は$39ではありません。

Craftybase — order lines課金。注文数とは別物

Craftybase ‑ Manufacturing ERPは、読み違えられやすいアプリです。評価は19件で3.6、しかも分布が二極化していて、星5が68%、星1が26%です。公開日は2022年11月25日。

  • Pro $24/month($240/year)— 1 User、1 Sales Channel、order lines 50件/月
  • Studio $39/month($390/year)— 2 Users、Sales Channel無制限、order lines 250件/月
  • Indie (MRP) $79/month($790/year)— 5 Users、order lines 1,000件/月
  • Business (MRP) $119/month($1,190/year)— 5 Users、order lines 5,000件/月

全プランで原材料と商品は無制限、無料トライアルは14日、年払いで17%割引です。

注文数ではなくorder linesです。 1回の決済で石けんを4種類買った顧客は、1件ではなく4件を消費します。平均3明細なら、Proプランの50 order linesは月17注文ほどです。この比較の中で最も誤解されている数字がこれです。

Craftybaseは、recipes、batches、production runsに加えて、COGS、Profit & Loss、Schedule Cといった税務向けの財務レポートを前面に出している唯一のアプリでもあります。BOMが欲しい理由が「売り越しを止めたい」ではなく「正確な原価と税務」なら、そこが差別化点です。

Katana Cloud Inventory — 30 SKUまで無料、その次は$299と見積もり

Katana Cloud Inventoryは4つの中で最大です。レビュー133件、評価4.2、公開日は2019年3月20日。マルチ倉庫、生産スケジューリング、shop floorアプリ、QuickBooksとXeroの連携、APIまで揃ったクラウド在庫・生産プラットフォームです。

公開されている価格の段は2つだけです。

  • Free Plan — 30 SKUs、ユーザー無制限、連携無制限、APIアクセス
  • Core Plan $299/month — SKU無制限、ユーザー無制限。リスティングには「inventory locations and sales orders are billed based on volume chosen」「Additional paid add-ons available」と記載

つまり$299は価格ではなく下限です。それが実際どうなるかは、2件のレビューが具体的に書いています。2026年5月5日付・利用16日のあるUSマーチャントは、bin locationsとlot numbersという基本と考えていた機能がそれぞれ別のアドオンで、合計が月$1,000を超えたと書いています。2026年1月31日付、5年以上Katanaを使っていた別のマーチャントは、課金単位がユーザー数→sales order line items→sales ordersとGMVへと変わっていったこと、単価$10の商品を大量に売る店が、はるかに大きな事業者向けの段に押し上げられることを書いています。

2件は傾向とは言えませんが、リスティング自身が書いているボリューム課金の説明と矛盾しません。トライアル前に原文を読む価値があります。

同じストアで、4つの請求書

平均3明細で月2,000件(order linesで6,000件)、原材料200件、ロケーション1つのメーカーを想定します。

アプリ該当プラン月額
Material ManagerAdvanced(月7,500件まで)$29.99
Materials InventoryBusiness(月2,000件、原材料1,500件)$89
Craftybase ‑ Manufacturing ERPorder lines 6,000件に届くプランは非公開記載なし
Katana Cloud InventoryCore+ボリューム+アドオン$299〜

同じストアが月300件(order lines約900件)だった場合。

アプリ該当プラン月額
Material ManagerStandard$19.99
Materials InventoryHobby(500件・原材料500件まで)$39
Craftybase ‑ Manufacturing ERPIndie (MRP)、order lines 1,000件$79
Katana Cloud InventoryCore+ボリューム+アドオン$299〜

同じ注文量で約10倍の開きです。Katanaは他の3つより広い製品なので、まったく同じ仕事の見積もり4件ではありません。ただ、必要なのが「キャンドルが売れたらオイルを引く」だけなら、請求額のほとんどを決めているのは、ベンダーが選んだ課金単位です。

選び方

「材料」がすでに販売している商品で、1バンドルのコンポーネントが30未満。 無料のShopify Bundlesで足ります。全コンポーネントで在庫追跡がオンになっていること、Continue selling when out of stockがオフであることだけ確認してください。オフでないと計算から黙って除外されます。

買うけれど売らない本当の原材料が必要で、最も安い正解が欲しい。 Material Managerです。$19.99から原材料無制限、Built for Shopify、そして課金前に3件の原材料でモデリングを試せる無料プランがあります。

COGS、Profit & Loss、Schedule Cまで同じシステムで完結させたい。 Craftybase ‑ Manufacturing ERPです。契約前に、月間注文数ではなく「月間注文数×平均明細数」をプランの上限と突き合わせてください。

複数倉庫、生産スケジューリング、ロット番号、会計連携が要る。 Katana Cloud Inventoryです。$299は出発点として扱い、アドオンの一覧をトライアル中に文書で受け取ってください。

すでにERP規模。 この4つはどれも答えではありません。別の評価が必要です。

導入前チェックリスト

  • 注文数ではなく平均order linesを数える。4つのうち3つがボリューム課金で、しかも数えているイベントが同じではありません。
  • 「売らない材料」を書き出す。ゼロならShopify Bundlesで足りる可能性があります。
  • サブアセンブリが要るか確認する。バンドルは入れ子にできないので、仕掛品の工程がある時点で標準機能は外れます。
  • 小数量と単位(g、mL、inch)が必要かを確認する。4アプリのApp Storeリスティングはいずれも小数量の扱いを明記していないため、トライアル中に実機で確認してください。
  • checkoutの状態を確認する。checkout.liquidのカスタマイズが残っていると標準バンドルは使えず、既存のバンドルはDraftになります。

出典

料金・評価・レビュー件数は、いずれもShopify App Store(en-US表示)で2026年9月6日に確認した値です。リスティングは予告なく変更されるため、インストール前に必ず最新の表示を確認してください。

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