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Shopifyがアプリに公開を許す料金プランは8本。非公開のプランはさらに15本作れる|価格が動くのは、その見えない側である

Shopify App StoreのVitalsのリスティングに載っている料金プランは1本だけです。月額29.99ドル。その下に「すべての価格オプションを見る」(en-US表示ではSee all pricing options)というリンクがあります。Matrixifyは4本で、同じリンクが付いています。これはマーケティング上の選択ではありません。新規公開アプリの既定の課金方式となったShopify App Pricingは、公開プランを8本までに制限し、App Storeには一切表示されないprivate planを15本まで、1本あたり最大20ストアに対して作ることを認めています。さらにShopifyは、Partner Dashboardから適用するdiscount、trial extension、app creditsという3つの個別レバーを文書化しています。いずれも公開ページには出ません。一方でShopifyのHelp Centerは今も「アプリのプラン変更はアプリ内か開発元のサイトで行うもので、Settings > Appsからではない」と書いており、shopify.devは管理画面内のプラン選択ページのURLを公開しています。それぞれのレバーが何をするのか、この仕組みで何ができないのか、どの順番で聞くべきかを整理しました。調査日は2026年9月14日です。

AIECアプリ研究所 AI編集部公開日 更新日 読了 19分#Shopifyブログ運営#アプリ比較#初心者向け

この記事でわかること

この記事の目次Contents閉じる開く

Shopify App StoreでVitalsのリスティングを開き、価格設定までスクロールしてみてください。プランは1本です。All-in-One(日本語表示では「オールインワン」)、$29.99 / month、7日間の無料体験、そして従量課金についての1行。その下にグレーの文字でこう書かれています。「すべての料金はUSDで請求されます。定期請求と使用料に基づく請求は、30日ごとに行われます。」そして最後にリンク。「すべての価格オプションを見る」(en-US表示では See all pricing options)。

Matrixifyのリスティングも開いてみます。プランは4本(Demo、Basic、Big、Enterprise)。そして同じグレーの文、同じリンク。

このリンクは、単なる誘導に見えます。ただ実際には、告白に近いものです。現在のShopifyのアプリ課金システムには、アプリが表示できるプラン数の上限が文書化されており、同時に「表示しなくてよいプラン」の仕組みも文書化されています。

先に結論

仕組みの名前はShopify App Pricingです。2026年にManaged Pricingから改称されました。Shopifyは、対応する料金モデルであれば新規公開アプリにとって「the default way to charge merchants」だとしています。

公開プランは最大8本。 App Storeのリスティングと、あなたのプラン選択ページに表示されます。公開されている価格表はこれで全部です。

private planは最大15本。 App Storeには出ません。Shopifyは「visible only to users who are logged in to an authorized store account」と書いています。1本につき最大20のストアドメインを登録できます。

プラン選択ページはShopifyが管理画面内でホストするようになりました。 URLは https://admin.shopify.com/store/{store_handle}/charges/{app_handle}/pricing_plans です。ところがマーチャント向けのHelp Centerは追いついていません。今も「App plan changes are managed within the app itself or through the app developer's website, not from Settings > Apps」と書かれています。

レバーはあと3つあり、いずれもPartner Dashboardから引かれます。 種類・値・期間を指定するdiscount、trial extension、そしてapp credits。3つともプラン変更を必要とせず、3つとも公開ページには一切現れません。

4つとも、誰かが依頼しなければ始まりません。 Shopifyの開発者ドキュメントには、開発元がそれぞれをどう付与するかが書かれています。一方で、private planに言及したマーチャント向けのShopifyのページは見つけられませんでした。

何が変わったのか

Shopify App Pricingは、旧Billing APIに配管を足したものではありません。置き換えです。

旧方式(Shopify自身のナビゲーションで現在「manual pricing (legacy)」と表記されています)では、アプリが appSubscriptionCreate を呼び、Shopifyが confirmationUrl を返し、アプリが組み立てた画面で承認していました。プランは開発元のコードの中にありました。

App Pricingでは、プランはPartner Dashboardにあり、画面はShopifyが描画します。ドキュメントの書き方は率直です。「your app doesn't define billing configuration or create charges in code. Don't call the Billing API's appSubscriptionCreate mutation.」

日付はChangelogに残っています。App Pricingのアプリでは、2026年4月28日以降、サブスクリプション変更のWebhookと charge_id のリダイレクトパラメータが送られなくなりました。2026年7月7日、ShopifyはBilling APIに残っているアプリ向けの移行ツールの前半をリリース。その2日後、7月9日にプラン数の上限を引き上げました。公開プランは4本から8本へ、private planは10本から15本へ。

注目すべきはこの7月9日のエントリーです。Shopifyはprivate planを容認しただけではありません。保有できる本数を1.5倍にしました。

プラン選択ページはどこにあるのか

URLのパターンはshopify.devに公開されており、この仕組みに乗っているアプリはすべて同じ形です。

https://admin.shopify.com/store/{store_handle}/charges/{app_handle}/pricing_plans

store_handle はmyshopifyのサブドメイン、つまり cool-shop.myshopify.com なら cool-shop です。app_handle は開発元がアプリの shopify.app.toml に設定したhandleです。これがApp Store URLのスラッグと一致するとはShopifyは書いていないため、前提にせず確認する対象として扱ってください。

Shopifyはこのページをこう説明しています。「Shopify hosts your plan selection page. It's visible in the Shopify admin, and allows merchants to view and select their plan.」

URLを打ち込む前に、注意点が2つあります。

1つ目。このページはApp Pricingを有効化したアプリにしか存在しません。 Billing APIのままのアプリにはこのページがなく、Help Centerの説明(プラン変更はアプリ内で行う)はそのアプリについては正しいままです。そしてApp Storeのリスティングからは、どちらの方式かを判別できません。

2つ目。そのページに表示される内容はストア単位です。 公開プランに加えて、あなたのストアドメインが登録されているprivate planが出ます。同じアプリの同じページを別のマーチャントが開けば、違う一覧が出ることがあります。

公開8本、非公開15本

Shopifyのドキュメントは、この2つを明確に分けています。

公開プランは「available to all merchants」であり、「visible on your app's plan selection page as well as on the Shopify App Store」。上限は8本です。

private planは「only available to a list of stores that you select」。用途も書かれています。「This is useful if you need to support a bespoke feature set and pricing for a complex or high-needs client.」そして可視性のルール。private planは「show up on your plan selection page, but are visible only to users who are logged in to an authorized store account」。

上限は、private planが15本、1本あたり登録できるストアが20件。アプリ1本につき最大300ストア分の個別条件の枠があり、そのどれも外部からは発見できません。

Shopifyは、private planを使うべきでない場面も開発元に示しています。「If all you need is a price incentive, then offering a discount or trial extension may be a simpler option.」

注目すべきはこの一文です。Shopifyはprivate planを3つの選択肢のうち最も重いものとして扱っています。 つまり開発元が先に手を伸ばすのは、軽いほうの2つ——discountとtrial extension——です。そしてその2つも、リスティングには出ません。

リスティング自身が「これで全部ではない」と書いている

VitalsのShopify App Storeの価格設定セクション(日本語表示)。オールインワンプラン1本のみで月額29.99ドル、7日間の無料体験、すべての価格オプションを見るのリンクが並ぶ

出典: Shopify App Store(Vitals: Reviews, Bundles & 40+、2026-09-14時点)

Vitals: Reviews, Bundles & 40+はBuilt for Shopifyバッジを持ち、評価は4.9(2,956件)です。リスティングに載っているプランは $29.99 / month の1本だけで、価格の下にこの但し書きがあります。en-US表示では Usage fees start after ~$1,000/mo in Vitals-attributed sales (from $10/mo) and for Visitor Recordings volume.、日本語表示では「Vitals 経由の売上が月額約 1,000 ドルを超えた場合 (月額 10 ドル〜)、および訪問者録画の利用量に応じて従量課金が発生します。」。そして「すべての価格オプションを見る」。リンク先は開発元の自社サイトです。

なお日本語表示のリスティングには「自動翻訳されたテキストを含む」という表示が出ます。プラン名や但し書きの細部を判断材料にする場合は、en-US表示で原文を確認してください。

MatrixifyのShopify App Storeの価格設定セクション(日本語表示)。Demo無料、Basic月額20ドル、Big月額50ドル、Enterprise月額200ドルの4プランが並ぶ

出典: Shopify App Store(Matrixify、2026-09-14時点)

ITissibleが提供するMatrixifyも、Built for Shopifyバッジを持ち、評価は4.9(1,616件)です。プランは4本。Demoが無料、Basicが $20 / month、Bigが $50 / month、Enterpriseが $200 / month。同じリンクが付いています。

どちらのアプリも、変わったことをしているわけではありません。リスティングに表示できる本数に上限がある仕組みの中にいるだけです。 「すべての価格オプションを見る」は、その上限を公開の側で回避する手段です。private planは、非公開の側で回避する手段です。

請求額が動いたとき、何が起きるか

Vitalsのリスティング上に、日付が入り、公開されていて、双方の発言が残っているやり取りが1件あります。

VitalsのShopify App Storeのレビューセクション。2026年7月23日付のHAIYATEAによる星3つのレビューがDirect revenue assistsの課金に触れ、その下に2026年7月24日付のVitalsからの返信が並ぶ

出典: Shopify App Store(Vitals: Reviews, Bundles & 40+、2026-09-14時点)

2026年7月23日、HAIYATEAという名前のマーチャント(アラブ首長国連邦、利用歴およそ4年)が星3つのレビューを投稿しました。機能については概ね好意的で、そのあと話が変わります。このアプリには「a 'Direct revenue assists' charge, which is charged based on how much revenue the app has helped generate for your store」があり、「So now, we're being charged an extra $200 PER MONTH for using this app due to our revenue bracket」。

Vitalsは翌日返信しています。課金について認めたうえで、こう書いています。「We've written to you with what we can do about the charge, and the setup that would suit your store best.」

この最後の一節を、ドキュメントと突き合わせてみてください。what we can do about the charge(課金について我々にできること)と the setup that would suit your store(あなたのストアに合った設定)は、Shopifyが用意したレバーそのものの説明になっています。 discountか、trial extensionか、1ストアのために作られたプランか。

ただし、これが何を示していて何を示していないかは分けておきます。これはレビュー1件と返信1件です。外部からは、どの仕組みが使われたのか、あるいは使われなかったのか、結果がどうなったのかは分かりません。分かるのは、その会話が存在し、リスティングの外側で行われ、利用歴4年近いマーチャントが請求額が動くまでその存在を知らなかったように見える、ということです。

4つのレバーを並べる

レバー開発元が適用する場所あなたが気づく場所Shopifyの記載
private planPartner DashboardのPricing自ストアが登録されたあとのプラン選択ページアプリ1本につき15プラン、1プランにつき20ストアドメインまで
discountPartner Dashboard(マーチャント単位)次回の請求サイクル開発元が「the type, value, and duration」を選択。「applied to their subscription automatically, starting on the next billing cycle」
trial extensionPartner Dashboard(マーチャント単位)Shopifyからのメール。こちらの操作は不要「Shopify sends an email to the merchant on your behalf confirming the change. The merchant doesn't need to re-subscribe to the plan.」
app credits請求調整(マーチャント単位)Shopifyの請求書「Grant a sum that merchants can put towards future purchases, subscriptions, or usage charges」

app creditsについては、App Pricingのページではなく請求調整(billing adjustments)のページに記載があります。ただしApp Pricingのイベント一覧に CREDIT_APPLIED、CREDIT_PENDING、CREDIT_FAILED が並んでいるため、クレジットはこの仕組みにも届きます。

サポートとのやり取りに持ち込む価値のある事実を1つ。Shopifyは、trial extensionを扱うには開発元のスタッフがPartner Dashboardで Manage credits and refunds 権限を持っている必要があると書いています。一次対応の担当者から「何もできません」と言われたとき、それは会社についてではなく、その担当者について本当なのかもしれません。

この仕組みでそもそもできないこと

上限は開発元にも効いています。そのうちいくつかは、あなたの請求書に形を変えて届きます。

一回払いの購入ができない。 Shopifyは明記しています。App Pricingは「doesn't support one-time purchases」。移行ガイドは、現在one-time chargeで販売しているアプリに「create a usage-only subscription with usage items」と指示し、one-timeと月額を併用しているアプリには結合プランを作って「send each one-time charge as an App Event for that meter」と指示しています。マーチャント側の帰結は、費目そのものの変更です。現在のHelp Centerによれば、one-time app chargeは「are displayed on separate invoices, not on your regular Shopify subscription bill」。これが従量メーターに変換されると、同じ支払いが通常の請求書の1行になります。しかも、それまで存在しなかった継続サブスクリプションに紐づいた形で。

従量課金の上限が設定できない。 Shopifyのドキュメントの2か所に書かれています。「Usage caps aren't currently supported」、そして旧来の「上限の90%到達」Webhookに対して「Not applicable. Shopify App Pricing doesn't use capped amounts for usage-based pricing」。これが実務で何を意味するか、実際の従量課金アプリでどう見えるかはShopifyがアプリに許す従量メーターは5本で扱いました。

利用限度額は引き上げられるが引き下げられない。 利用限度額が存在する場合について、Help Centerは明確です。「You can only increase spending limits through your Shopify admin, you can't decrease them... To decrease your spending limit, contact the app developers.」

無料の公開プランは1本まで。 Shopifyの移行チェックリストは開発元に「include no more than one free public plan without usage charges」を求めています。

従量課金は月次のみ。 従量課金は「must be billed monthly (can't be combined with yearly-only plans)」です。

聞く順番

  1. メールを書く前に、自分のプランページを開く。 admin.shopify.com/store/{自ストアのhandle}/charges/{アプリのhandle}/pricing_plans。開けばApp Pricingのアプリであり、いま自ストアが選べるプランがすべて表示されています。開かなければBilling APIのままで、プラン変更はアプリ内です。

  2. 先に現在の課金を読む。 Settings > Apps からアプリを開きます。Billing and usage charges のセクションに、プラン、請求サイクル、そして従量課金がある場合は「the current spending amount, spending limit, and the date the usage cycle resets」が表示されます。

  3. 決める前に「すべての価格オプションを見る」を踏む。 リスティングに出るのは最大8本です。開発元の自社サイトはその本数に縛られていません。

  4. 依頼するときはレバーの名前を出す。 private plan、discount、trial extensionは、Partner Dashboard上の3つの別々の操作であり、結果も別物です。「価格を何とかできませんか」は「できません」を招きます。「自ストアをprivate planに追加してもらえますか」はそうではありません。

  5. タイミングを見る。 discountは「applied to their subscription automatically, starting on the next billing cycle」であって、今期ではありません。サイクルの切り替わりが3日後なら、今日合意したdiscountでも旧価格でもう1期分支払うことになります。

  6. 返金と混同しない。 この4つのレバーが変えるのは、これから請求される金額です。すでに請求された分は戻しません。返金は別の経路と別の制限で動きます。Shopifyアプリの無料トライアルは180日間の残高であるで扱いました。

大きな話としては、開発元が価格を隠しているという話ではありません。Shopifyが、公開される半分と非公開の半分からなる価格表を作り、その両方を開発者ドキュメントに書き、どちらもマーチャント向けには書かなかった、という話です。 App Storeのリスティングは公開される側の半分です。それは、メニューが「全部」であるのと同じ意味でしか、全部ではありません。

この記事で確認できなかったこと

アプリをインストールして実際のプラン選択ページを開いてはいません。URLのパターンもページの内容も、実地の確認ではなくshopify.devの記載に基づいています。

App Storeのリスティングからは、そのアプリがShopify App Pricingに乗っているのかBilling APIのままなのかを判別できません。プランページのURLがそもそも存在するかはそこで決まりますが、アプリごとの確認はできていません。

VitalsがHAIYATEAに対して4つの仕組みのいずれかを使ったかどうか、結果がどうなったかは検証できていません。レビューと返信は、2026年9月14日時点でリスティングに掲載されていた内容の引用です。1件のやり取りは傾向ではありません。

ShopifyはBilling APIの廃止日を公表していません。移行ガイドは、新プランに素直に対応しないサブスクリプション向けにMigration APIを「is developing」(開発中)としており、提供されるまでは「those subscriptions continue billing through the Billing API」としています。当面、両方の仕組みに同時にまたがるアプリが存在しえます。

評価、レビュー件数、プラン名、料金は2026年9月14日時点のen-US表示のShopify App Storeのもので、頻繁に変わります。Vitalsは同じ日の早い時間には2,951件、スクリーンショット取得時点では2,956件でした。

出典

RelatedShopifyアプリの無料トライアルは「カウントダウン」ではなく180日間の残高である|そして返金を決めるのはShopifyではない

Shopifyアプリの課金について、公式に書かれているのに一緒に読まれることがまずない事実が2つあります。1つ目、無料トライアルは再インストールでリセットされるカウントダウンではありません。Shopify App Pricingはトライアル日数を180日間、しかもプラン単位で記録し、プラン変更時には「消費済みの日数は新しい日数から差し引かれる」と明記されています。2つ目、返金はShopifyの裁量ではありません。Help Centerは、サードパーティアプリの返金は開発元が管理すること、返金判断は開発元の裁量であること、そして請求書に載った保留中の課金をShopifyは取り消せないことを明言しています。開発元側の制限も想像より狭く、$1,000.00 USDを超える課金は返金できず、12か月より古い請求書にも手が出せず、ACH払いの請求書は90日以内に限られます。Shopify Help Center、shopify.dev、およびMatrixify・Loox・KlaviyoのApp Storeリスティングで2026年9月13日に確認しています。