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「Shopify AIサイズレコメンド」と検索して出てくる記事の多くは、料金表を並べるだけで終わります。しかし実際に導入を検討すると最初にぶつかる問題は、料金そのものではありません。そのプランでAI機能が本当に動くのか、という一段手前の確認です。
3本のアプリを2026年9月6日時点のShopify App Store(en-USロケール)で確認すると、この境界線がアプリごとにまったく違う場所に引かれていることが分かりました。CartCoders社のAI Fit Finder Size Recommenderは最安の$9.99プランからAIレコメンドが有効です。一方でKiwi Size Chart & RecommenderとSmartSizeは、無料プランや下位プランではAI機能そのものが存在せず、それぞれ$14.99・$19のプランまで上げて初めて解禁されます。
Shopify標準でできること
Shopifyに「サイズ推奨」という名前の標準機能はありません。Shopify Help Centerの公式チュートリアル「Adding a pop-up size chart to your product pages」が示しているのは、商品メタフィールドをPage参照型で作成し、テーマのPop-upブロックからOnline Storeのページを呼び出すという手順です。これで実現できるのは、あらかじめ用意した静的なサイズ表を商品ページに表示することだけです。
顧客が身長・体重・年齢・フィット感の好みを入力し、AIが個別に「あなたに合うのはMサイズです」と返す機能は、この仕組みには含まれません。メタフィールドにはtable型自体が存在せず、リッチテキスト型メタフィールドの説明も見出し・リスト・リンク・太字・斜体までしか対応していないことがShopify公式ドキュメントに明記されています。個別化されたサイズ推奨が必要な時点で、標準機能の範囲外です。
なお、静的なサイズ表そのものの作り方や、メタフィールドの制約(1商品にリンクできるページは1つだけ、など)は、当サイトの別記事「Shopifyにサイズ表の標準機能はない」で詳しく扱っています。本記事は、その一段先にある「AIによる個別サイズ推奨」だけに焦点を絞ります。
比較の前提
対象は、Shopify App Store(en-US)のリスティングに「AI」を用いたサイズ推奨機能を明記している3本です。
- AI Fit Finder Size Recommender(開発元:CartCoders、米国アリゾナ州スコッツデール拠点)
- Kiwi Size Chart & Recommender(開発元:Staytuned、米国ニューヨーク拠点)
- Smart Size Chart & Fit Finder(開発元:SmartSize、Built for Shopifyバッジ取得済み)
料金・機能はすべてShopify App Store公式リスティング(en-US、2026年9月6日時点)に基づきます。
比較表
| 項目 | AI Fit Finder Size Recommender | Kiwi Size Chart & Recommender | Smart Size Chart & Fit Finder |
|---|---|---|---|
| 開発元 | CartCoders(米国) | Staytuned(米国) | SmartSize |
| Built for Shopify | 記載なし | なし | あり |
| 評価(件数) | 5.0(21件) | 4.7(1,188件) | 5.0(133件) |
| 無料プラン | なし | あり(3表・透かしあり) | あり(2表) |
| AIレコメンドが有効な最安プラン | S: $9.99/月(全プラン共通) | Plus: $14.99/月〜 | Pro 100: $19/月 |
| 無料トライアル | 14日間 | 14日間(有料プランのみ) | 14日間(有料プランのみ) |
| 注文数連動の従量課金 | あり(プラン内上限超過分) | あり(Plus以上、上限額は非公開) | Pro 100は月100ユーザーまで(超過時は上位プランへ誘導) |
AI Fit Finder Size Recommender(CartCoders)
最大の特徴は、最安のSプラン($9.99/月)から「AI Size Recommendations」が全プランに含まれることです。プランの違いはAI機能の有無ではなく、対応商品数(S: 50点、M: 200点、L: 500点、XL: 1,000点)と、含まれる注文数(S: 100件、M: 250件、L: 500件、XL: 1,000件、超過分は1件$0.01〜$0.02)です。
入力項目は身長・体重・年齢・フィット感の好みで、footwear(靴)では足のサイズ・幅も加わります。ページビルダー(PageFly、GemPages、Shogunなど)との連携も明記されています。無料プランはなく、14日間の無料トライアルのみです。2024年12月27日ローンチと3本のなかで最も新しく、レビューは21件と少数ですが全件5つ星です。データアクセス許可には顧客データ・商品・注文(直近60日分)・オンラインストアの編集が含まれます。
Kiwi Size Chart & Recommender(Staytuned)
2018年3月ローンチ、レビュー1,188件と3本のなかで最大の実績を持つ一方、AI機能は無料プランにもPremium($7.99/月)にも含まれていません。「機械学習ベースのサイズレコメンダー」が使えるのはPlus($14.99/月、カスタムレコメンダー最大10個)以上で、Ultimate($26.99/月)で無制限になります。
料金面で注意すべき点があります。Plus・UltimateプランのリスティングにはOrders連動の追加課金が明記されていますが、上限額はリスティング上に記載がありません。実際、2026年8月4日付のレビューでは、4年間利用してきた店舗が「プランをうっかりアップグレードしたところ、月$5〜7だった請求が月約$150になった」と報告しています。Staytuned側も返信でこの件を認め、個別対応する旨を回答していますが、これは1件のレビューであり一般化はできません。それでも、注文数ベースの課金体系を検討する際は、成長後の請求額を事前に開発元へ確認する価値があります。
Smart Size Chart & Fit Finder(SmartSize)
3本のなかで唯一Built for Shopifyバッジを保有し、評価は5.0(133件、96%が5つ星)です。Free(2表)、Starter($9/月、10表)、Growth($12/月、無制限表)まではAIによるサイズ推奨機能がなく、静的なサイズ表・多言語表示・AI翻訳・fit scale(true-to-size表示)にとどまります。
AIを使った「Find my size」クイズが解禁されるのはPro 100($19/月)からです。App Storeのリスティングには「100 users/month - Unlimited fit quiz」と記載されており、月100ユーザー分の利用が上限とみられます(「クイズ回答100件」ではなく「対象ユーザー数100人/月」という単位である点に注意してください)。回答内容は顧客ごとに記憶され、次回訪問時にも引き継がれる設計です。月100ユーザーを超える利用が見込まれる場合は、smartsize.io上位プラン(Pro 250〜10K)への追加契約が必要になるとみられますが、この上位プランの価格はShopify App Storeのリスティングには明記がなく、公式サイトでの確認が必要です。
選び方
最初からAI推奨を全プランで使いたい、かつ商品数・注文数がまだ小さいなら、AI Fit Finder Size Recommenderが最も分かりやすい入口です。月$9.99からAI機能が有効なため、プラン選びで機能差を考える必要がありません。ただし無料プランがない点と、注文数超過時の従量課金は事前に試算してください。
すでに大量のレビュー実績と長期運用の安心感を重視するなら、Kiwiの選択肢は残ります。ただしAI機能はPlus($14.99/月)以上でしか使えず、注文数が伸びたときの請求額をKiwiの料金ページで必ず確認してください。App Store上の「Additional charges apply based on order volume」という表記だけでは上限が読み取れません。
Built for Shopifyバッジや高評価を重視しつつ、まずは無料で静的なサイズ表から始めたいなら、SmartSizeのFree・Growthプランで様子を見て、AIクイズが必要になった段階でPro 100($19/月、月100ユーザーまで)へ上げる進め方が合理的です。月100ユーザーを早期に超える見込みがあるストアは、上位プランの価格を導入前に公式サイトで確認してください。
そもそも全商品で同じサイズ表を1種類だけ出せばよいストアは、AIレコメンドへの投資は不要です。Shopify公式のメタフィールド+Pop-upブロックの手順で足ります。
まとめ
3本とも「AIでサイズを推奨する」という同じ触れ込みですが、そのAI機能がどのプランから使えるかはアプリごとに完全に異なります。料金表の月額だけを比較すると、実際にAIが動くプランを見誤ります。導入前に確認すべきは、①自社の商品数・注文数がどのプランに収まるか、②AI機能が有効になる最低プランはどれか、③注文数やクイズ回答数が伸びたときの追加課金に上限があるか、の3点です。
Shopify Magic公式のメディア生成機能は、Shopify Help Centerによれば背景除去・ロゴ生成・ヒーローバナー生成の画像処理にとどまり、動画生成は含まれません。さらにShopifyとは無関係の「Magic: Product Photos & Videos」という名前のアプリが月額19.99〜49.99ドルで存在し、紛らわしい状態です。実在するAI商品動画生成アプリ8本を調査したところ、課金単位はクレジット・動画数・ポイント・1本あたり定額・買い切りパックの5種類に分かれていました。各アプリの最上位プランを実際に生成できる動画1本あたりのコストへ正規化すると、約0.04ドルから約1.29ドルまで、およそ32倍の開きがあります。しかもあるアプリの月額39〜99ドルのプランは、動画の生成数上限を一切公開していません。2026年9月6日調査。